猟場の探し方

今では僕も猟期中でもふらっと新規の猟場開拓に行けちゃうようにはなりましたが、狩猟を始めたころは知らない場所で猟をするのが怖くてなかなか開拓が進みませんでした。

猟場ってお気に入りの場所に足繁く通ってしまいがちだと思うのですが、候補はなるべく多い方が良いはずですよね。ある日突然、その猟場が使えなくなることもあり得ますし。

猟場と言っても大物猟、鳥猟で探し方も違いますが、鳥猟に関しては猟場が手軽な反面、注意しないといけないことが多いと個人的には思っているので、今回は単独忍び猟の猟場探しについて僕なりの方法を書いてみようと思います。

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単独忍び猟の猟場探し

まずは机上から

獲物が居そうな場所を知っていれば、そこから広げていくのが一番効率が良いと思いますが、全く検討がつかない場合。

僕は有害鳥獣駆除等で捕獲頭数の多い場所を参考にし、鳥獣保護区等位置図と照らし合わせて下見の候補地を作っていました。そしてこの鳥獣保護区等位置図が個人的には大きくて邪魔&大雑把で使いにくい……。

なので僕はジオグラフィカというアプリに鳥獣保護区等位置図をカスタムマップとして表示しています。大きい地図をガサガサと広げるストレスから解放されるし、一目で自分の位置情報を把握できるので後々の下見をするときにとても楽になります。カスタムマップの作成はそんなに難しくはないのでオフシーズン中の暇なときにでも是非チャレンジしてみてください。

ジオグラフィカに取り込んだカスタムマップ

もし、ある程度獲物のいる地域の環境がわかるのであれば、地形図から似た場所を探して下見に行くのもありかと思います。

ちなみに僕はなるべく人に会いたくないので、山深いところばかり探してました。パッと見だと車じゃ行けそうにない場所でも航空写真をよく観察してみると意外と通じる道があったりします。

古い航空写真を参考にして、現在の地形と見比べてみると新たな発見があったりするのでお勧めです。

下見は電柵や防除ネットを探す

おおよその候補地が決まったら下見に向かいますが、いきなり山に入って痕跡探すよりも山裾や畑に柵や電柵が設置してある場所から探す方が労力が減るかと思います。

シカ避けの防除ネットやイノシシ用の電柵があるところは少なからず獣害があるから防護してあるわけなので、そういう場所を足掛かりにして付近を探索すれば猟場がみつかりやすいかと。

また、そういった野生動物による被害のある地域だと狩猟に好意的な住民の方が多い印象です。好意的だから何かお得かということもないですが、否定的な人がいる場所より気持ち的にも安心じゃないですか。

「どんどん獲ってくれ〜」なんて言っていただけると山に入る足取りも軽くなります。

シカならディアラインの形成も目印になりますが、ネットだとかフェンスがある場所から入ると大体形成されてるような気がするので、尾根伝いに歩いてきたとか、人里離れた山深い場所だとか、そういうときの参考にしてます。

猟場の判断方法

下見先で何を基準に猟場の良し悪しの判断をするかですが、僕はシカの場合、糞で判断することが多いです。

糞粒法や糞塊法という糞から生息数を割り出す方法があるくらいなので大切な指標になってます。

ただ、シカは季節移動をする生き物なようで、真夏に気配が濃かったからと言って猟期もそこが濃いとは限らないので注意が必要です。期待して行ったら全然いなかったなんてこともありえます。

千葉のようにほとんど低山ばかりの地域でも場所によっては季節移動をしているようです。僕は猟期前に大体の地域を選定して、猟期中にポイントを絞っていくようなイメージでやってきました。

新めな糞がたくさんある場所は獲物がよく居る証拠。その付近の使われてそうな獣道で待ち伏せするだけでも捕獲への期待度は高まるかと思います。

イノシシも糞や足跡・掘り返しの跡などを参考にはしますが、あくまで猟期中に山を歩くときの目安にする程度にしてます。イノシシはいる場所がわかっていても忍びではなかなか攻めにくいことも多く、「痕跡が多い=遭遇に期待できる」ぐらいのつもりでいます。

イノシシにしてもシカにしても出会うことができるのが重要です。どんなに鉄砲がうまくても獲物がいなければ撃てないですしね。

忍び猟も場所が違えばやり方も変わるでしょうし、経験を積むためには、例え獲れなくても獲物と出会う回数が多いほど良いはずです。何かしらの獲物に出会えるような場所は、獲れなくても良い猟場になり得ると僕は思います。

ざっと書いてみましたが、結局大事なのは現地に足を運ぶことです。猟期前にその引き出しをなるべくたくさん作っておけば猟期中に僕のように慌てることもないかと。

注意すべきは国有林のように入林手続きの必要な土地だったり、私有地での狩猟です。手続きや許可が必要か事前に確認できそうな点は下見に行く前に調べておいたほうが無難でしょう。

最後に

もしあなたが初心者なら人から猟場を教えてもらう、これほど確実な方法はないかと。とはいえ、あまり深くもない仲の人に教えて!とお願いして二つ返事で教えてくれる人はなかなか居ないと思いますし、「なんやコイツ」ってなりかねないです。

猟場はハンターにとって財産のようなもので、誰しもおいそれと教えてくれるものではないかと思います。

例えば先輩が猟場に連れて行ってくれるのは、あなたへの信頼の証だったり、教えてくれた友人はあなたとその猟場の体験を共有したい、同じ環境で楽しみたいという気持ちからではないでしょうか。

僕が聞いたトラブルでは猟隊の新人ハンターが巻狩りの猟場を無断で忍び猟しているのがバレて、しこたま怒られたという話がありました。

教えてくれた人との人間関係はどうあれ、教えてもらった猟場は大切にして、なるべく荒らさないように注意する配慮が必要です。猟場に入る前にその旨を伝えるのが礼儀かと思います。

お互いにしっかりと情報を共有できれば、限られた狩猟期間での効率的な立ち回りも可能でしょう。

一人ぼっちのイメージが強い単独忍び猟かもしれませんが、人との繋がりが意外とできやすいので大切にしたいですね(しみじみ)。