初めて行く猟場での工夫

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

今年はここ最近サボり気味だったブログを原点に戻ったつもりで、ちょこちょこと更新していけたらなぁと思っています。

……思っています。

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猟期中の猟場の新規開拓

調子の良い猟場に行くも……

昨年末の話です。猟場の新規開拓はできれば猟期前にやっておきたいところですが、猟場近くの地形図などを見ていると行ってみたくなる場所が出てきます。

この日も猟の帰り間際に気になる場所をちょっとだけ見て帰るつもりでした。サクッと良猟場で獲ってやろうと意気込んだものの、驚くほど獲物と出会わなくてただの取らぬ狸の皮算用に。

前日に出猟した猟友の話からかなり猟圧がかかってそうな様子ではありましたが、ここまでこの猟場で獲物を見なかったのは初めてでした。

まぁ、居ないものは仕方ないよな……と思いつつもそうなると新規開拓場所に期待しちゃう。というのも猟場同士が近いので避難先になってる可能性もあります。

で、期待の場所へ車を走らせてみたら、地形図や航空写真から想像したような場所ではない。

車を止めて、林道沿いを歩いてみるも糞塊もない。古いイノシシの食み跡があるだけ。

付近の原っぱのぬかるみに足跡がたくさんついてましたが、こういう場所に出てくるのは僕の経験上、日没前が多いので時間的にはまだ早い。

付近を地形図で確認すると、短い尾根ではあるけど、期待できそうな場所を発見したので林道から道なき道を登り始めたのですが……、まぁ驚くほど痕跡がありません。

大丈夫かな……と疑問に思いながら奥に進んでいくと倒木が行く手を阻みます。これが原因で尾根沿いに痕跡が少なかったのかも?なんてジャングルジムを潜るかの如く先へ進むと、ちらほらとシカの糞が落ちているのがわかるようになってきました。

「これはちょっと期待できそうだな」と思いつつ更に進むと、直感的に良さそうな谷に出ました。付近の糞も数が多い。頻繁に通ってそうな場所です。

谷を見渡せるような場所に腰を下ろして様子を見てみることにします。

初めての場所で待ち伏せをしてみる

待ち伏せするのに時間は特に決めてないのですが最近は大体30分程度までにしています。「ここで待ちたい」と思うのは、天気、気温、時間、色々な条件から獲物が通りそうと経験で判断してるんでしょう。多分。

そういう勘は鈍らせないよう、精度を高めるためにもあまり長時間待たないようにしてます。

待ってても必ず出てくる訳ではないですし。

※これは忍び猟中の待ち伏せという意味で、待ち伏せを主とした待ち伏せ猟なら長時間待ちます。

腰を下ろしてから10分ほど経過したところで向かいの斜面から何かが降りてくる足音が聞こえました。音の様子からすると遠そうで、少し場所を移動して確認してみましたが、何も見えず。

そのままじっとしているとまた大きな音がしたので、見渡しやすい元の位置に戻ります。先程よりだいぶ近づいてきてる。

どこから降りてくるかな〜、なんて向かいの斜面を見てたら、いつの間にか谷にシカが降りてきてました。

木の間で棒立ちしていますが、ネックを狙いたくても狭い……。

後から思えば、もう少し前に出るのを待ってから撃つべきでした。木の間を通せると思って撃った弾は手前の細い木にチップして着弾がズレてしまいました。

発砲直後に走り出したので、その場を動かず逃げた方向を耳で探っていると、しばらくして滑り落ちるような音が聞こえました。恐らく仕留めたと思い、血痕を探しますが……ちょっと量が少ない。

不安になりつつ40mほど辿ると、獣道から外れたところで絶命しているのを見つけました。

日没の工夫

獲れたのはいいけど、日没まで時間がそんなにありません。そんなときはまずは埋設の用の穴を先に掘っておきます。闇の中での穴掘りは非常にストレスを感じますし、明るい方が足元も確認しやすいので。

初めて入る山では念のため、スマホのアプリでGPSのトラッキングを必ず記録しています。

僕がよく使うのはジオグラフィカです。ヘッデンで帰り道が照らせても、暗闇だと山は雰囲気が変わります。昼間だと絶対に間違えないような分岐点を誤ったりするので、二重三重の対策が必要だと思います。

尾根の分岐が多い等、迷いそうなときはアプリのトラッキング機能に加えて、ケミカルライトを木にテープで貼り付けて目印に使います。

ケミカルライトを常備するようになったきっかけは、日没間際に急斜面でシカを獲ったときに回収のためにロープを取りに戻ったのですが、ラペリングで降りるのに獲物の位置がわからなくなり苦労した経験からです。

分岐点手前に貼っておけば、帰路を間違えることもないですし、獲物の近くに置いておけば日没後の回収も楽になります。

最近は100均でも明るさの十分な物が売っていますので、必要なときはケチらずに使います。

また、暗闇の解体はヘッデンがあれば作業はできますが、周囲を照らすのにワークライトがあれば安心だと思います。斜面でヘッデンだけで作業していると平衡感覚が失われる感覚に陥ることがあるので、結構重要なアイテムだったり。

忍び猟では常にヘッデンとミニワークライトを装備、解体では更にサブのヘッデンとバッテリーにもなるワークライトを追加しています。

そのくらいの準備がないと、寒空の下一晩山で過ごさないといけないハメになりかねないと思っています(ヒヤリとした経験あり)。

いろいろざっくり書いたけど……

猟期中の新規開拓の話から、暗闇での解体の話までざっくり書きました。雑にまとめると、

  • 猟場の新規開拓は猟期前にやっておくのがベストだけど、猟期に通ってみないと気付きにくい猟場もある。
  • パッと見獲物がいなさそうでも奥まで見てみないとわからない。もしかすると穴場かも?
  • 待ち伏せは短時間で勝負
  • 半矢はすぐ追わない
  • 灯火類はバックアップも含めて準備しよう。

ということでした。

いよいよ猟期も半分が過ぎました。残りも安全に、悔いが残らぬよう全力で楽しみましょう!