【単独猟】今期装備の見直し

12月9日で今期12回目の出猟となりましたが、前回の記事以降、射撃のチャンスが生まれません。

決して獲物が居ないわけではなく、むしろ毎度遭遇しているものの、姿が確認できずに鳴いて逃げられる、ドタドタと走る足音が聞こえるだけと今一つな状況ばかり。

大体20メートル以内の近距離で逃げられていますが、植生のせいでほとんど姿が見えません。

流石にちょっとやり方変えないといけないかな~と考えたのが11回目の出猟です。


2017/12/7

天候:晴れ
気温:1.6℃/12.3
最多風向:北北西
平均風速 :1.1㎧
使用銃:MSS-20

日の出前に出発。現着したのは日の出後10分経過したくらい。まずは軽く流して見るかと、尾根を忍びながら歩いてたら近くでシカの鳴き声。谷を下って逃げて行った模様。更に進むこと5分、二頭目が進行方向に鳴きながら飛んで行く。

いきなり2連発で姿も見せず飛んで行きました。ちょっと凹みながらも、逸る気持ちもあったかもしれないと思い、少し休もうと手袋のベルクロを剥がした瞬間。

「ピィッ!」と、かなり近くで鳴き声と足音。どうも鞍部にもう一頭隠れていたようです。尾根が死角になって見えませんでした。慌てて銃を持って駆け寄るも、低木に遮られ姿は見えず。木々の隙間からちらっとお尻が見えたときはもう50メートル以上先に…。

せっかくのチャンスを逃してしまい、しばし意気消沈。15分程待ち伏せという名の休憩をして、再度歩き始めます。

いつもの待ち伏せポイントの枝尾根まで来たところで、これまた近くでシカが鳴きました。走れば追いつけるかも!と走って下りましたが、全然姿が見えません。沢を渡った反対側の山へ逃げて行ったようです。

せっかく下ったからと、待ち伏せポイントで小一時間張ってみますが何も来る気配がなく、諦めて来た道を戻ります。

両手を使いながら斜面を登っていると、だんだん疲れてしまって、顔は下を向きがちに。

突然「ガサガサ」という音がし、驚いて顔を上げるとシカが目の前を横切りました。銃を構える暇もなく、尾根の死角に入られてそのまま逃げられました。

この時が本当に悔しかったんです。自分の不注意さに腹が立ちました。

逃げられる少し前に、経路の確認で一度顔を上げてるんです。立ち位置を考えたら、絶対視界に入っていたはずなんですが、気付けなかった。疲れて注意力散漫になってるとはいえ、目の前に居たものを認識できないとは。

結局、この日は合計8頭に遭遇したものの視認できたのは2頭だけ。

獲れない日が続いても、猟場をフラフラ歩いているうちに新しい発見があったりと、冒険気分で楽しいのは楽しいのですが…。

尾根の途中に突如現れた人工物。まさか遺跡を発見したのかと思いましたが、炭焼き窯跡だそうで。初めて見ました。

そろそろシカを一頭獲りたい!

遭遇する距離を考えると、忍ぶことはできているはず…。あと少し何かが足らない。というわけで、まずは装備について考えました。

Contents

装備変更を考える

大チャンスを逃した原因の、疲労について考えてみました。体力的なことももちろんあるのですが、今回は身に付けている物からくるストレスに焦点を当てました。

これは自衛官だった頃にも経験したのですが、僕は些細なイライラが蓄積されていくことで、妙に疲れてしまう傾向があります。行軍なんかすると顕著に表れてました。

靴ひもがほどけたり、躓いたり、銃のスリングがポーチに引っかかったりと、本当に些細なことなんですが。

なので、まずは今期の出猟でイラっとした点の改善。

ベスト

昨年までよく通った猟場、この記事と、この記事の山(以後、猪場とします)は里山という感じで、まだ歩きやすいです。「CANADA HUNTGEAR」のベストを買った時は、今通ってる鹿場のような山へ入ることは想定していませんでした。

鹿場は標高こそ低いものの、急峻な丘が連なっています。両手を使わなければ登れないような所も多く、そうなると必然的に太腿を高く上げるようになります。

こんな斜面ばかりです。

すると、ベストの下部分がかなり邪魔に感じるように。太腿を上げる度にポーチが当たるんですよね。思いつきで前猟期に使用してた「BLACKHAWK!」のチェストリグを折り畳んで限界まで上げてみたところ、これがなかなか良い塩梅になりました。ポーチ類も必要最低限の物をつけてみましたが、この辺りは使いながら変更してみます。

命名「タクティカルブラ」

ストラップを背面で交差させることで限界まで上に。ぴったり身体にフィット。

お試しでやってみたはずが、自分の忍び猟スタイルの基本というか最終形態に近づいてきている気がします。もう少し改良したいが、既製品でこれだ!っていうものがないので、もう来期はオフシーズン中に自作しようと思ってます。

トレッキングブーツ

続いて履き物。狩猟を始めた時に買った「SIRIO」のトレッキングブーツ、P.F.302はお気に入りで普段でも履いているのですが、これが今の山で忍びをやろうと思うと、しっくりこないと感じました。

猪場は落ち葉が少なく、土が見えてて歩きやすい。比べて落ち葉の多い鹿場。

落ち葉の上を歩くときは時間をかけて着地するので、片足で立つ時間が長くなってしまいます。この時、どうもバランスが取りにくいと感じました。つま先立ちもやりにくいです。

ニーズを考えると地下足袋が候補に上がるんですが、以前使ってみて指の股が痛くなったり、履くのが面倒だったりと僕には合いませんでした。

で、思い出したのが 「Vibram Five Fingers」 。

 

以前、マリンスポーツをやってたときに履いてたことがあったのですが、フィット感がすごく良かったんです。調べてみたらV-Trailというオフロードモデルがありました。

でもかなり悩んでしまいました。

悩んだ理由は、やはり奇抜な見た目。そしてお値段。見た目はゴツい五本指ソックスです。

値段もP.F.302よりお高いんです。あまりにお気に入りすぎて、次もP.F.302を買おうと思ってた僕は本当悩みました。

P.F.302は普段履きでも使えますが、ファイブフィンガーズを使うとなるとなかなか勇気いります。

限定的な使用条件になりますけど、どうしても山で試してみたい…。もしダメならトレランで使おうと、自分を納得させて購入しました。

パンツ

狩猟と言えば迷彩、という意識があったわけではありませんが、好んで履いてた迷彩パンツ。今期は迷彩じゃないGORKAスーツのパンツを使用していますが、これ系のパンツはゆったりとしたサイズ感の物が多いです。

GORKAのパンツは衣擦れ音が小さいほうですが、静まりかえった山に入るとそれでも気になります。バンドを使用して絞るなどの工夫をしていますが、常に加圧されて乳酸が溜まる溜まる。

忍び猟の最強スタイルはモジモジ君のような全身タイツじゃないかと最近思っているんですが、そこまで突き抜ける度胸もありません。アンダーアーマーで気になる商品があったので注文しましたが、今回の出猟には間に合いませんでした。代用品として、猟期に入って少し痩せたせいか、幾分緩くなったスキニーパンツを履いて山へ。

いざ実地テスト

2017/12/9

天候:晴れ
気温:-0.9℃/10.3
最多風向:北北西
平均風速 :1.1㎧
使用銃:MSS-20

「Vibram Five Fingers」が午前中に届くのを待っての出猟。今日はあくまでテスト、というつもりで。でもしっかり銃は持って行きました。

結果はどうだったかと言うと、概ね良好という感じです。ゴテゴテとした今までのスタイルと違い、どちらかというとスニーキング寄りな装備。変わり過ぎてまだちょっと判断つきません。

長所、短所も予想通りですし、以前より忍んでいる感じはするんですが…。しばらくこのスタイルでやってみます。

ただ、ストレスの感じ具合は劇的に改善されました。携行する荷物も減ったので、かなり身軽にもなりました。削った荷物の搬送方法は考えてありますが、いっそ車に余裕を持って戻れる範囲で行動するのもありかもしれません。

であれば、銃と弾とナイフと、法的な必須携行品で行けばいいじゃないかと思われるでしょうけど、それはちょっと自分の美学というか、拘りというか、それに反するところなのです。

今回敢え無く二軍落ちした装備も決して悪いわけではありません。ただ、今の猟場に合わなかっただけです。そのうち猟場に応じた装備が一つずつ出来そうな予感もしますが、そろそろ散財は食い止めたいところです。

獲れない原因として猟場の視界の悪さもありますが、シカからも見えてない可能性もあって、だからそこそこ近くまで寄れているんじゃないかと。

そう考えるとこの植生もメリットのような気もしてきます。もっと視界の良い猟場を探すのも手ですが、「今期はここで獲る!」と決めたからにはここで獲りたいところ。

割と頑固なんです、僕。

次回は猟場の侵入経路を工夫してみようと思います。