山梨県に単独猟遠征その②

Contents

山梨遠征3日目

前日の猟はなんとか一頭の雄鹿に出会えたワケですが、足跡を見た限りあそこにシカはあまりいない様子。同期は東京から別の猟友が来るとかで、今日も別行動です。

土地勘なんて殆どないので、2年前に来たときに気配が一番濃かった山へ行ってみることにしました。

麓から川沿いに車を走らせていると、予定の林道から一本手前の林道入り口で同期の車を発見。下見に来たというので、一緒に流しながら、足跡の確認をすることになりました。

昨日の山よりは多めですが、群れという程の足跡もないです。車で流してみても、シカの姿をみることはありませんでした。

同期は川を挟んだ反対側の山へ行くと言うので、僕も予定していた場所に移動。

林道入り口付近の空き地に車を停めて、歩き始めます。この山も1500メートル程度ですが、山頂までの高度差は300メートルもないくらい。前日の山が500メートルちょいでしたので、前日よりはちょっと楽かなという感じです。

歩きながらシカの足跡を探してみると、同期と最初に流した場所よりは多い。これなら期待できそう。

歩き始めて30分程度で、右手の斜面の笹藪からシカが二頭飛び出しました。距離も近いし、充分狙える。落ち着いて装填し、発砲。

しかし当たった気配は無い。二の矢を入れようとボルトを引いたら、排莢不良。

またか…!と呟きながら排除して装填。もう慣れた。慣れたくないけど…。

再度狙いをつけて撃つも…これまた手ごたえなし。確認しに行くも、やはり痕跡もなし。ちょっと自信あったんですけどね、距離的にも。

落ち込んでいる時間も勿体ないので頂上を目指して再び歩き始めます。

更に2キロちょっと歩いて頂上に到着。

付近を観察してみても、シカの姿がないのでとりあえず休憩。バックパックを下ろして水分補給とおやつのチョコレートでカロリー補給。

雪の上で、両脚を前に投げ出して、いつものようにボケ~っとしてみます。

ちょっと体が冷えてきたように感じたのでそろそろ動こうかなと、バックパックを背負っていると右手の方から微かにガサガサと聞こえました。

ゆっくりそちらを見てみると、シカが数頭歩いているのが見えました。距離は80メートルくらいか…?何かを警戒しているような早さで移動してますが、もしかすると先程の銃声が聞こえて移動してきたのかもしれない。

気付かれないように、ゆっくりと腰を下ろし、装填。膝撃ちの姿勢。撃発の瞬間にシカが向きを変えたのがわかったけど、止められない。

銃声と共に走りだすシカ。飛び出してくるシカを数える。一頭、二頭、三頭……いっぱい!

すぐに再装填…、とボルトを引くとまたも排莢不良。排除してる間にもシカがどんどん出てくる。装填して構え直すとシカの群はちょうど正面を横に移動中。木々の隙間から狙えそうな場所見つけて、照準を置くもタイミングが合わない。目が無意識に群れを追ってしまい、狙うシカが定まらない感じです。ならば最後のシカをと、そちらに照準を合わせてシカを追います。

一瞬足を止めた瞬間に合わせて発砲しますが、シカは再び走り出しました。

二度のチャンスを逃して、どうもやる気がなくなってしまいました。十数頭いたと思いますが、あれだけの群れを山梨で見れたのは初めてだし、そこはラッキーと思うことに。

今日はもう明日に繋げる為の猟場探索をしようと、その後は稜線沿いをウロウロと歩きました。

途中に6頭の群れに遭遇も、装填して構える頃には木が邪魔して未発砲で下山。

適当に下りた尾根から林道に出たので、銃カバーを被せて車道まで歩くと、偶然にも猟友を乗せた同期の車と遭遇。僕の車まで同乗させてもらうことになりました。

この時点で8キロ程山の中をウロウロしていたのですが、日没までまだ時間があるということで再び山頂付近で降ろされました。

強制再スタートです。

せっかくなので、山頂に現れたシカの群れがどこから現れたか探してみることに。

僕が笹藪から現れた二頭に発砲した場所から、70メートル程上の尾根にたくさんの寝床を発見。恐らくここでしょう。

そこからまた林道入り口まで戻り、三日目は終了。なんだかんだて今回の遠征で一番移動した一日になりました。

 

山梨遠征4日目

日の出前に猟場に到着。午後からはTwitterのフォロワーさんとのお約束があるので、移動時間を考えたら午前中で切り上げなければいけません。

朝一で獲れば解体しても間に合う!的な。捕らぬタヌキのなんとやら、シカですけど。

山を歩き始めて20分、斜面をトラバースしていたら視界に違和感。ん、何か居る…?

鹿が棒立ちしてる…!これが木化けというやつか!初めて見ました(認識できました)。

前々日の猟も、後から動画観て、ようやく居たことに気付いたくらいです。

千葉の猟場でこんな棒立ちしてる姿なんて見たことありません。ほとんど葉っぱで見えない所にいるんで、大抵走られてから気付きます。

かなり興奮しましたが、そこは気づかれないようにゆっくり構えた…つもりだったのに走られてしまいました。

それでも1発撃ちましたが、命中せず。

でも木化けを見つけられたのは、良い収穫です。コンタクトをつけて正解でした。

「ホロサイトじゃないからいいや」という謎理由で、ここまでの遠征中つけていませんでした。どうも木の輪郭がボヤけて見えてしまうので、苦手なコンタクトをつけたのです。

木化けを見て分かりましたが、あれは僕の裸眼じゃボヤケて見えません。

その後、撃った場所から2つ尾根を横移動したところで、またしても木化けのシカを発見。

今度は子連れです。できれば依託したいところだけど、あまり動きたくない。先程よりゆっくり構えて同じく立射で親鹿を狙います。

銃声が響き渡りますが、シカは棒立ちのまま。

当たってない…?でも逃げない…?

少しだけシカが動き、頭が木で隠れた隙に、ゆっくりと膝撃ちの姿勢に構え直し、再度発砲。

そこでようやく走りましたが、当たった様子はない…。両方とも50メートル無い距離です。

んんん?なんかおかしい…。

多分、また頂上付近を移動するのだろうと予想し、尾根を登って先回りします。

前日の様子からそんなに移動速度はないはず…!心臓をバクバクいわせながら、ゼェゼェ、ハァハァと山登り。

頂上付近に着いたところで谷をこっそり覗きこんで見ると、6頭のシカの群れが警戒しながら谷を横断している場面に遭遇しました。距離は30メートル程度。

心臓の鼓動の早さから、とてもじゃないけど立射は出来そうにない。ちょうど目の前に倒木があったので、依託して撃つことにします。

今度は撃つ前に深呼吸。頭の中はかなり冷静…だったはず。

撃発。またしても立ち止まるシカ。

「当たってない?マジか…?」

気付けば持って来ていた弾はあと1発です。こんだけあれば一頭は獲れると、千葉を出た時は思っていたのに…。とんだ誤算です。

最後の1発を薬室に放り込み、再度依託で射撃。

撃発。ピクリとも動かないシカ。

やった!即倒だ!

……というわけではなく…。棒立ちのまま動きません。こんなに逃げないシカにもびっくりですが、依託で二度も外した自分にもびっくりです。

木々の間を不安そうに子鹿が行ったり来たりしてます。シカもどこから撃たれたか分からず混乱してるんでしょうか…?

逃げる方向を決めかねてるような感じです。

右往左往するシカをスマホで動画撮影する余裕までありました。

「いや待て、ひょっとしたら致命傷で動けないのかもしれない」

淡い期待を寄せながら、少移動して木の陰に隠れたシカに近付きます。

5メートル、10メートルと谷を下りたところで、ギャッという声を上げてシカの群れが走りだしました。元気いっぱい!

どうせその木の陰にシカが倒れてるんでしょー?と覗き込むけど、何もなし!

シカの群れの足跡を追ってみますが、まーーーーったく何もなし!

弾もないのに追ってもしょうがないので、谷を下っていくと、真っ白な雪の上にポツっと赤いものが落ちていました。近づいてみると血です。

足跡の方向と、場所からすると最初に撃った木化けしていたシカのようですが…。もしかすると、ということもあるので追跡してみます。

左前脚をかすったでのしょうか。足跡にところどころ、引きずったような跡があります。

途中まで群れと同じように頂上へ向かう足取りでしたが、割と急斜面に差し掛かったときに、下りに方向変換していました。

300メートル程追うと、最初は鼻血程度にポツポツと垂れた血がほとんど無くなってしまい、林道を横断した辺りで、雪が溶けて追跡が難しくなり、断念。

出血量から致命傷ではないにしろ、またしても半矢にしてしまいました…。

何故当たらなかったのか、無い頭を使って必死に考えます。最初に疑ったのはスコープ。まず道具のせいにしようとするのは悪い癖ですがなかなか治りません。

あれこれ考えてるうちに、色んなことに気付きました。あれ、そういえば…。という感じで次々と要因が見つかっていって、これは整理せねばならんなと。

しかし、夜は楽しみにしてた酒宴です。初対面で浮かない顔はよろしくありません。とりあえず全部忘れることに。

弾もありませんし、潔く下山です。銃を預けに銃砲店へ、ついでに銃身の簡単な手入れもお願いしました。

 

フォロワーさんと酒を酌み交わす

甲府盆地を端から端まで移動して、Twitterで知り合ったumigokiさんに会うべく車を走らせます。

こだわりを感じる自作作品の画像、時折見られる教養のある発言。おまけに誕生日も1日違い、血液型も同じ。どんな御仁か気にならないワケがなく。

お会いするまでのイメージは、眼鏡をかけたスマートな感じの人を想像していましたが、実際お会いしてみた感想はTHE山男という感じのナイスガイ。

僕に対しての第一声が、「あれ?意外と小さいですね」ですよ。逆に僕は「ゴツすぎませんか?」としか返せませんでした。

猟話、自作話に花を咲かせ、翌日仕事だというのに遅くまでお付き合いしていただきました。

素敵な作業部屋、もとい、寝室も見せていただき大興奮でした。この家にいたらなんでも作れそうです。

おまけにこんなお土産までいただいて…。

ツリースタンドです。

前猟期に僕が「Death from Above作戦」、まぁ、つまり、ただ木の上で待ち伏せしただけなんですが、そのことを覚えてらして…。有り難く頂戴しました。

酔っ払ってウキウキで、umigokiさんの気が変わらないうちにと、いそいそと車に積みましたが、何というか、すごく大きいです。

自宅に置いてみたら、そのデカさが際立ちます。

今猟期早速活用したいところですが、その前にハシゴを手に入れるか、ぶり縄を習得する必要があり…。設置場所の選定もせねばなりませんので、とりあえずデッドスペースへ押し込むべくデッドスペースをつくる羽目になりそうです。

楽しい一夜を過ごした翌朝、銃砲店で追加の弾を20発購入し、再び猟場へ。

次回へ続きます。