今回はずっと書こう書こうと思っていたものの、なかなか書きあげることができなかった記事です。
f-rangeで取り扱っているエアライフル、エアーガンテクノロジー社の『URAGAN』について書いてみました。
僕とURAGANとの出会いは2年前になります。
当時、僕は個人輸入したエアアームス・S510の5.5mmを使用していました。
精度的にはそこそこ満足していたのですが、猟場での取り回しや威力の面でちょっと不満があり、6.35mmあたりの口径のエアライフルに買い替えることを決意。
空気銃の個人輸入には様々なリスクはありますが、比較的少ない予算で高性能な銃を手に入れられる方法です。ちゃんと対応してくれるお店が見つかれば、そんなに難しい話ではありません。
今回はどうせなら少し尖った感じの銃がいいな……と、海外のサイトを徘徊していたときに目に飛び込んできたのURAGANでした。
Contents
エアーガンテクノロジー社・URAGAN
エアーガンテクノロジー社はあまり聞き慣れないと思いますが、チェコ共和国のメーカーです。
URAGANの仕様は下記のようになります。
- 全長801mm/銃身長570mm、重さ約3,6kg
- エアータンク容量 530cc 最大充填圧力 300bar ※日本仕様は480cc
- CZ製冷間鍛造バレルを使用
- KeyMod付きハンドガード装備
- バイアスロンサイドレバーは特別な工具を必要とせず、簡単に右利き用と左利き用に交換が可能
- 圧力計、圧力調整器、アジャスタブルバットパッド 、安全装置、スコープ・バイポッド用ウィーバーレール
- パワーは、7.62mm が 84.8ft/lbs、6.35mm が 49.4ft/lbs
もうね、一目惚れですよ。なんだかビームでも出そうな未来的なフォルム。意味があるんだかないんだかわかんないけど、なんだかカッコイイハンドガード……。
候補として4丁ほど見繕っていましたが、居ても立っても居られず、翌日には現地のショップにメールで問い合わせてました。
ショップの返答から個人輸入で行けそうな気がしてきましたが、いくつか越えなければいけない壁がありました。
エアータンクの容量デカすぎ問題
URAGANの正規のエアータンク容量は530cc、日本国内で高圧ガス保安法の適用除外となっている空気銃のタンク容量は500ccまでという規定があります。
幸いにもこれをクリアするための悪知恵アイデアはすぐに思いついたのですが、本当にそれで法的に大丈夫なのか?
考えても埒があかないので、次の2点を確認するために関係各所に問い合わせてみました(最終的な回答は経済産業省から得ました)。
Q1. 530ccでも1MPa以下にすれば国内に輸入することができるか?
A. タンク内気圧が1MPa以下であれば輸入は可能、高圧ガス輸入検査もない。輸入後そのままの状態で国内で充填した場合、高圧ガス保安法的にアウト。
Q2. 530cc以上のタンクを現地で加工し、物理的に容量を少なくした場合、高圧ガス保安法の適用除外になるか?
A.物理的に容量を500cc以下にした場合は、適用除外の対象になる。
つまり無事URAGANを通関させるには、現地で物理的に500cc以下に加工を施し、念の為に1MPa以下に脱圧した状態で送ってもらえば問題ないはず。
というわけで、前述のアイデアで物理的にエアータンクの容量を減らす加工をして、最低限の空気を残した状態で送ってもらうことになりました(f-rangeでの加工もこの方法を基に施しています)。
マガジンも向こうで5発に加工してもらえたので、輸入可否の条件など下調べは必要だったものの、手続き的には前回(S510の輸入)より楽に感じました。
URAGANに一目惚れして大体半年後、遂にURAGANは日本にやってきました。
URAGANの性能
集弾性
さて、いくらカッコいいといえど当たらなくては……ねぇ。
海外の動画を参考にURAGANを選定したので、最低でも大体500円くらいには纏まる性能はあるはず、と僕は期待していました。
25口径だし、500円ならまあ許容範囲かな〜なんて思いながら撃ってみたらこんな感じでした。
50mで500円どころか1円玉で纏まります。レギュレーターが優秀なのかバラツキも少なく、フロント依託で割と適当に撃っても安定して一円玉レベルで集弾します。
URAGANの発射音
嬉しい誤算?というか、URAGANの発射音はとても静かです。
射手には発射音よりも、ハンマーがバルブを叩く、「キン!」という金属音の方が大きく聞こえる程です(個人の感想です)。
日本では禁止されているので使えませんが、海外モデルではオプションでモデレーターもつけられます。
一体どれだけ静かになるのか……。
ちなみに、現行のURAGANはモデレーターが内蔵されているので、本国仕様そのままでは個人輸入が厳しい状況になりました。
f-rangeのURAGANはモデレーターを排除した日本仕様なのですが、そろそろ輸入開始!という直前でこの仕様変更に気付きました。慌てて日本向けに調整をしてもらい事なきを得ましたが、見落としてたらと思うと、マジで肝を冷やしました……。今頃書置きして旅に出てたかもしれない。
バランスが良い
URAGANの重量は約3.6kg。3.4kgのS510とそんなに大差はないのですが、コンパクトなおかげなのか立射の姿勢で構えても重さは意外と感じず、重心も銃の中心にあるような感じでとても構えやすいです(個人の感想です)。
僕にとってはじめてのブルパップ、慣れるのに時間がかかるかと思いましたが、違和感もなく使えています。
URAGANのここはもうちょっと……
外観も性能も僕個人的には大満足なのですが、それでも完璧とはいかないわけで。
使い始めて2度の猟期が経過して、ここはもうちょっとどうにかならなかったの?というのも見えてきたのでそこも上げてみたいと思います。
樹脂製のハンドガード
手元に届くまで気付かなかったのですが、keymodつきハンドガードはただの樹脂製タンクガードで、何かアタッチメントをつけてどうのこうのというアイテムではありません。金属製だとぶつけたりした時に怖いから……みたいな話をエアーガンテクノロジーの中の人から聞きましたが、ここはクリアランスとってでもアルミで作って欲しかったかも。
意外と短いピカティニーレール
一見すると充分な長さがあるように見えるピカティニーレールですが、つけるスコープによっては長さに不満が出ると思います。僕のお気に入りのスコープ、MTC opticsのS.W.A.T pismaticスコープは超ショートアイレリーフなので、どの姿勢でもベストな位置に持ってくると半分ほどレールに乗ってない状態になります。
ブルパップなんだからもうちょっとレールが長くても良かったんじゃないかなって思います。
その他にも分解していくと小さい不満はあったりしますが、一般的なURAGANに対するガッカリは以上です。
総じて良いエアライフルだと思います。
狩猟でのURAGANの使用感
狩猟でURAGANを使ってみての感想ですが、秀でてると感じたのは、なんと言っても取り回しの良さです。URAGANは801mm(パッド込み830mm)という国内で所持できる(799mm以上)ギリギリの全長です。
ぶっちゃけ、輸入するときも本当に長さが足りてるのか不安でしょうがありませんでした。
海外のショップに問い合わせたときのやりとりですが、
「銃口からパッドの隙間までの距離を測って欲しい。ここからここまでの長さ。わかる?」
「HAHAHA!OKOK!ダイジョーブ!」
みたいなノリで送られてきたので、神に祈るしかなかった。
届いてすぐにメジャーで測ったのは言うまでもないです。
ギリギリの全長がもたらす取り回しの良さは、流し猟で発揮します。
狭い車内から降りるときにあちこちぶつけなくて済みますし、ちょっと獲った場所が悪くて藪漕ぎしないといけないときでも、枝なんかが引っかかり難くて助かります。
そして200barも充填すれば一日持つ燃費の良さ。フル充填だと余裕で一猟期持つ人もいそうです。
精度も信頼できるので安心して撃てます。当たらないのは腕のせいと思い知らされます……。
取り回しが良くなったことでアプローチの仕方が変わったこと、安定した精度で撃てる安心感も寄与しているはず。
URAGANを選んで本当によかった。
URAGANはf-rangeで扱ってます
僕はリスクにおびえながらURAGANを輸入しましたが、今は安全に国内で購入することができます。
思い入れがあるからこそ、自分が銃砲店に関わるなら扱いたかったのがURAGANでした。
f-rangeのスタッフ達のおかげで、言葉の壁を越え、URAGNという商品を扱えていることに感謝です。
まぁ、日本じゃ珍しいエアライフルだったので独占しておきたい気持ちも多少ありましたが(笑)
URAGAN購入はこちらからお問い合わせください↓
所持許可をまだお持ちじゃない方、ご相談下さい。
所持許可取得サポートも行なっています。
今後も一人のユーザーとして、SNSを通じてURAGANの魅力を発信していくとともに、銃砲店のスタッフとしてURAGANのスペシャリストを目指し頑張っていこうと思います。
URAGAN仲間が増えるのを楽しみにしてます。