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2022年度の狩猟解禁!
お久しぶりの投稿です。猟期前に何か記事を書くつもりでしたが、ふんわりとした記事しか思い浮かばず、何も書かないまま猟期を迎えてしまいました。
Twitterでネタ募集までしたのにこんな結果でゴメンナサイ。
さて、ようやく今年も狩猟が解禁されました。11月15日はハンターにとって、さながら元旦なような日です。当日は仕事だったため、某SNSのタイムラインに上がる「獲ったどー!」写真を指を咥えて見ることしかできませんでしたが、翌日の16日には何とか出猟することができました。
いつもは初猟あたりは身体も慣れておらず、山での歩き方を思い出しながら出猟するのですが、今年はとあるお仕事で一足早く山に入っていたので、身体も心も準備万端で臨むことができました。
しかし道具だけは準備が足りてなかったようです。
愛用のトレッキングブーツを忘れて、山でのお仕事に使っているスパイク長靴で忍び猟をすることに。
正午から14時までの短時間勝負。
忍んで歩いてみた結果、目当てとしていたイノシシには会えませんでしたが、シカがたくさんいることはわかりました。
さて、今期は一つの目標がありまして、その目標というのが、「獲れた」を「獲った」にする猟を増やすということです。
正直、いままで自分の中で「獲った」といえる猟は数えるほどしかありません。寝屋撃ちや風の強い日に居場所を特定したときの猟などは自分でも獲ったと胸を張って言えますが、ほとんどが歩いていて出会った獲物を獲っているだけでした。
ただ、その出会って獲れた獲物と、獲れずとも出会った獲物が経験として蓄積され、猟場選択の基準や、狙うポイントというのが自分の中にふんわりできてきたので、それを言語化していけたらと思っています。
ふんわりとした獲物を狙うパターン
8年目の猟期になりますが、ようやく忍び猟で獲物を狙うパターンのようなものもできてきました。
11月中旬〜12月上旬はまだ然程猟圧もかかっておらず、昼間から歩き回っているような警戒心の薄いイノシシを狙います。当地では昼過ぎ〜15時くらいによく出会う印象です。この時期の採餌中のイノシシは比較的に警戒心が薄いように思います。僕の経験でも捕獲実績が多いです。
12月下旬〜1月中旬は特定の寝屋をメインに回ります。イノシシの寝屋はなかなか忍びで入ることは難しい場所が多いですが、何故かこの時期は尾根から見下ろせる、急斜面に生えた木の根本でイノシシが寝てることが多いと思います。
しかも一ヶ所に固まって寝ていることもあるので、気付かれなければじっくり獲物を選ぶことができます。
1月中旬〜猟期終わりまでは日没間際の竹薮や笹薮のイノシシ狙いです。猟期終盤にもなると、忍びでイノシシに会う確率もグッと下がるのですが、日没間際の竹薮はチャンスがあるように思います。当然、日没間際なので撃てる機会も少ないので捕獲に至ることは少ないですが、遭遇率は高いので期待しています。
そしてシカは随時、という感じに落ち着いてきました。
気持ちの問題かと思いますが、不思議なものでイノシシを獲ろうと思ってシカが獲れることはあっても、シカを獲ろうと思ってイノシシが獲れたことは一度もないです。
最初の獲物は……
忘れ物で失敗した2日後の18日、再び出猟です。
前回イノシシと出会えなかったので、少し時間をずらし、14時から日没まで勝負。
山に入って10分もしないうちに、谷から足音が聞こえてきました。
双眼鏡で確認したらイノシシ!早速出会えました。
しめしめと思いながら装填して発砲したのですが、手応えもなく、斜面から転げ落ちることもなく走り始めました。これを見て外したと確信。
静かに行く先を見守るとなぜか尾根に向かって登って来るのが確認できました。
まさかの二度目のチャンス、が、再度装填して発砲するもまたもや逃げられ……。
念のために確認に向かうと手前の木に着弾していました。血痕も皆無です。
ひょっとして上がって来たのは別の個体で、一頭は谷底に転がってるんじゃないかと、下っ
て覗いてみましたけど、ただの願望でした。
ツライ。
気を取り直したつもりで忍び猟を再開したのですが、外したことが頭の中をぐるぐると駆け巡ります。こればっかりは何度経験してもダメですね。悔しい。
とはいえまだ始めたばかり。以前は発砲したら山を替えてましたが、発砲してもそんなに獲物は逃げないことがわかってきたので、同じ山で続行です。
発砲地点から40分かけて歩き、そろそろ折り返し……というところで、何か気配を感じて、しばらく当たりを観察しました。
双眼鏡を覗いてみるのですが、何も見当たらない。どうせキョンかな?なんて思いながら数歩進むと……死角からシカが飛び出してきました。
なんだ、シカか〜と、一瞬撃つのを悩んだのですが、先程外したイノシシが気になり、ネックを狙って発砲……のつもりがセーフティを掛けているのを忘れてました。
「逃げられた!」と思ったのに微動だにしない。セーフティを解除して今度こそ。
その場で倒れるシカを見て、銃には何も問題がなかったことを確認。
僕のメンタルの弱さが出ただけでした。
シカが獲れちゃったものの、まだ折り返し地点まで行ってないし、時間もあります。
奥まで忍びで入って待ち伏せしたかったのですが、友人がシカを丸ごと欲しいと言っていたのを思い出し、とりあえず背負子を取りに戻ることに決めました。
急ぎ足で背負子を取りに戻り、シカを縛り付けたところでこのまま戻るか、奥で少しでも待ち伏せするか悩んだのですが、毎年何度かイノシシと遭遇する斜面に賭けてみることにしました。
ちょうど日没頃にその場所あたりを通るように時間調整。休憩ともいいます。
諦めきれないイノシシ……
日没30分前に「ヨイショ!!」、と気合いを入れて背負って歩き始めますが、小さめの個体とはいえ25kg程の獲物を背負って尾根を歩くのはなかなか骨が折れます。
ハァハァ言いながら、時々SLLSを入れつつ目的の斜面を目指しますが、日没が近いのと背負子の重さで忍びというには少し雑な歩き方になってしまいました。
何とか目的の斜面に着いてSLLSをしても音は聞こえません。
ダメかぁ……なんて思いながら歩き始めて間もなく気配を感じました。
何か来る。
段々とはっきり足音が聞こえてきて、直感でイノシシとわかったのでその場で腰を下ろし、時間を確認。日没3分前。
薬室に弾を放り込み、弾倉にも一発。
獲物の姿を視認、6頭くらいの群れのようです。何度か時計を確認しましたが、時間の進みが遅い。まるで止まってるみたい。
視界に入ったイノシシが止まったところで引き金を引いたのですがまたしてもセーフティの解除を忘れてました。
ここで慌てて撃つと最初のイノシシの二の舞です。
やらかしたようで、冷静になることができました。こういう群れが来る美味しいシチュエーションですが、なかなか獲物が絞れないので実は苦手です。
どれを狙おう……なんて考えたのですが、出た結論は「一番近いやつを狙う」という当たり前の話でした。
ほぼ真正面から、頭を下げた時に首元を狙って撃発砲。蜘蛛の子を散らすようにイノシシが逃げて行くので思わず銃を向けましたが、流石に三頭は辛いのですぐに発砲を思い止まりました。
再度時間を確認、日没2分前でした。
黄昏時の山の中で一人大喜びする中年。
当初の予定とは違ったものの、イノシシの現れた場所や時間は概ね想定通りだったので満足です。今回の猟は僕の中で「獲った」という猟になりました。
獲れて嬉しかったのですが、この後が大忙し。
一度車まで戻りシカを車に積んで、再度イノシシの元へ戻り、またイノシシを背負って帰るという、何かの修行みたいな状態に……。
車に戻った頃には完全に真っ暗。
また移動して山中で解体するのは辛い、、、と思ったのですが、
幸いにも友人宅のガレージで解体させて貰うことができました。
気配、気配ってなんじゃい?
今回は獲物の「気配」をよく感じたので、猟果を得ることができたと思います。
でも「気配」ってなに?
なんかスピリチュアルな感じじゃないでしょうか?
僕も気配(笑)と思っていますが、でも気配と表現するのが一番しっくりきます。
次回は僕が思う「気配」について書きたいと思います。