狩猟にオススメ?の料理家電

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なくてもなんとかなるけど、あったら便利

僕には狩猟をはじめてから、銃やスコープと同じように増えていったものがある。

それは調理家電。


ガスコンロや、刃物のように必須ではないけど、「あったら便利そう」というものが増えていく傾向にある。

どの作業も時間や手間をかければやれなくはないが、楽に、手早く終わらせてしまいたいと思うのはズボラな僕だから、というワケではないはず。

今回はそんなあったら便利なモノから、ハンター必須のキッチン用品を紹介します。

脱気シーラー

脱気シーラー、真空パック機、呼び方はいろいろあるけど自宅で食材を手軽に真空パックできる器具。あったら便利、というより悩むならとりあえず最初に買うべきイテムだと思う。
猟期中に獲った獲物の肉は冷蔵庫で数日寝かせてから、脱気シーラーで真空パックして冷凍庫に放り込む。これで僕の一つの猟が完結する。
獲った獲物を精肉して、店で見るような真空パックができると何とも言えない気持ちの良さがある。

猟期中に肉を貯めて、次の猟期まで冷凍庫の肉を少しずつ食べて過ごしている。
過信は禁物だけど、真空パック&冷凍保存した肉は1年くらいなら平気で食べちゃう。

ハンター1年生の時に獲ったシカは、ラップと新聞紙に包んで保存していたのだけど冷凍焼けでカサカサにしてしまった。無残な肉にしてしまった反省から脱気シーラーを使い始めたのだが、以降気になるような冷凍焼けは起きていない。

僕の使ってる脱気シーラーは安物だけど、しっかり真空パックできる。コツはロールをケチらないこと。余裕を持たせるのが大事。
もう3年使ったけれど、いまだ壊れる気配はなし。もう充分元は取れた。

冷凍ストッカー

猟を始めた当初はそんなに必要なものでもないだろうと思っていたけど、2年目には買うハメになったのでやはり必要なモノなのだろう。
単独猟をやる人は必需品ではないだろうか。
シカでもイノシシでも1頭獲ってしまえば、一般家庭の冷蔵庫の冷凍室では肉であふれてしまう。単身用の冷蔵庫なら尚更。

毎年猟期前には前猟期の在庫を捌くようにしているが、美味しいものは最後まで取っておきたいタイプらしく、良い肉が冷凍庫の底の方から発掘されることがよくある。

冷凍ストッカーを買うときに悩んだのは容量だった。大きければ大きい程良いのでは?と思ったが、そもそもそんなに肉が消費しきれる自信も、獲物が獲れる自信もなかったので控えめなサイズ(103リットル)を選択した。

僕の場合、徐々に冷凍庫に貯まっていく肉に合わせるかのように猟欲が抑制される。獲物を獲りたい気持ちはあるが、自家消費できない程の量は僕には必要ない。あくまで趣味の狩猟だから。
……なんかそれっぽいことを言っておけば、獲れなくてもなんとなく格好がつくというのは4年やってわかった。意識高いんです、僕。

冗談はおいといて、狩猟を数年やれば大体自分がどれだけ年間肉を食べるかわかってくるのではないだろうか。僕にとってはこのストッカーでちょうどいい。猟期の終わりが近づくとエアライフル猟に熱が入るのはこれが理由かもしれない。鳥のサイズならストッカーのスペースを調整しやすいから「もし獲れたら」を考えなくてすむ。
これが大きな冷凍ストッカーだったら……。自分の性格上、満タンにするべく四脚を追い続け、肉の消費に疲弊してたんじゃないかと思う。
現状はこれで満足している。

ちなみに冷凍ストッカーを置いてから電気代は500円ほど上がった……。

低温調理器ANOVA

ゲームミート、野生肉というのは温度管理が肝心だと、いろいろ料理してみてわかった。例えば鹿肉は火を通し過ぎれば固くなるし、かといって加熱が不十分だとE型肝炎やカンピロバクターなどの食中毒のリスクが高まる。ビビって火を通し過ぎてローストヴェニソン改めカチカチパサパサステーキを何度食べたことか。
何とかならないもかと藁にもすがる思いで手にいれたのが低温調理器ANOVA。

保存袋に肉とハーブとスパイスを放り込んでただ待つだけで、ほぼ完成。ANOVAでじっくり時間をかけて鹿肉を低温調理し、最後にフライパンで表面を焼いてやればお手軽簡単にローストヴェニソンが完成してしまう。
自分の料理の腕が上がったと錯覚させてくれること間違いないアイテム。

ちなみに僕がANOVAで一番リピートしているモノは温泉玉子。トロトロの絶妙な温泉玉子が、ほうっておくだけで出来てしまう。幸せ。

電動ミンサー

以前手動のミンサーを買ってはみたものの、筋が絡んでなかなか作業が進まず、予定の量を挽き終わる前にヘトヘトに。一度使っただけで台所の戸棚に封印されることとなった手動ミンサー。

猟友のヤスさんが、この電動ミンサーを大絶賛していたので、訝しく思いながらも買ってみたところ、これが実にいい。
動力が手動から電動になったとはいえ所詮は家庭用、絡まった筋を取り除くという作業はやはり行わなければならないが、手動に比べて断然早い。こうして挽いた鹿肉と猪肉を7:3くらいの割合で作った合挽ハンバーグが僕の大好物。ジビエが食べてみたいと言われたら、とりあえずコレを作っておけば何とかなる。

そういえば、鶏の胸肉が安いときに買いだめしておいて、挽肉にすればお得!……と思って実践したが、挽く手間と洗う手間を考えたら正直微妙だった。
だが、わかっているのにたまにやってしまうのは心に巣くう貧乏性のせいに違いない。
最近マッシュポテトを作るときに便利だと気付き、ちょっと株の上がった手動ミンサー。刃の部分を改造すれば、なかなか使える道具になるそうなので試してみたい。

電動スライサー

初めて猪肉の塊を手にしたとき、包丁でスライスするのに悪戦苦闘。絶対スライサー買ってやる……!と決意したものの、その値段に尻込み。
そんなに使用頻度高くないし、もうちょっとリーズナブルな値段で手に入らないものかと米国Amazon見てたらちょうどセールになってたスライサーを発見。
送料を入れても1万円でお釣りがくる!と即購入したのがこのスライサー。

まぁ、とにかくうるさい。そこそこ使えるけど、とにかくうるさい。肉は全解凍したものより半解凍くらいのほうがスライスしやすいのだけど、それなら包丁でも切れるし……。せめて凍った肉がスライスできれば納得いくのだが、それも難しい。しかもコレ洗うの面倒くさいし……。
という具合でどんどん使用頻度が低くなっていって、前猟期はとうとう一度だけしか使わなかった。
安物買いの銭失い、という典型的な例だけどローコストで導入できるスライサーということであれば選択肢に入れてもいいのかも。
均等な厚さで切りたいのならこちらにもまだ分がある。
このスライサーのおかげで少し包丁の扱いが上手くなった。

フードドライヤー

鹿肉ジャーキー用にと買ったのだけど、飼っているウサギ用のドライフルーツを作る頻度の方が高い。
これでジャーキーを作るのであれば、食中毒予防を考えると仕上げにオーブンで加熱したほうが無難だと思う。
僕がなぜジャーキーをそんなに作らないかというと、材料の肉の量に比べて出来上がった量が思いのほか少なくて、損した気分になるからだ。ちょっとガッカリする。市販のジャーキーが高い理由がなんとなくわかった。

狩猟道具と同じく料理道具も増えるのは仕方ない……

せっかく苦労して獲ったお肉なんだもの、美味しく食べたいよね。
美味しく食べる為に料理道具が増えるのは仕方のないことだ、うん。
いつものことながら、そんな感じで自分を納得させて増えていった道具たち。

普段から使えるものもあったり、狩猟道具に比べると無駄にならない買い物になることが多いので浪費への罪悪感も低いです。オススメ。

以上、狩猟にオススメ?の調理器具でした。