ロシアのすごいヤツ!AS-companyのスラッグ(製作編)

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※記事修正のお知らせ(2020/3/29)

【ホワイトメタル2種】非鉛弾頭のテストという記事にも書いたとおり、「SVAROG」のモールドではなく「AS-Company」というメーカーのものです。

タイトル、見出し、および本文を訂正してあります(2020/3/29)

混乱を招いてしまい、申し訳ありませんでした。

お気に入りのモールドが見つかりました

前回の記事でも少し触れたように、フォロワーさんに紹介していただいた(というか、ツイートに飛びついてしまった)ロシア製のモールドが素晴らしすぎて、お気に入りになりました。

これ、ほんと良い感じなんですよ。ワッヅスラッグなんかに比べると一手間かかるんですが、精度が手に入るならその一手間なんて苦ではないです!

今回はそんな素晴らしきロシアのモールドを紹介したいと思います。


SVAROG AS-company:20GA control expansion Slug

ス…スヴァ…??ってなんて読むんだかもよくわからないメーカーの、よくわからないモールドを買った流れはこうです。

事の発端はフォロワーさんのこのツイート。

なんだろう、何か呼ばれた気がしました…。

実はこの時、「.575 MINIE」のモールドをポチッとしたばかりでして。リンク先に飛んでみたらポチったモールドが4つくらい買えちゃうお値段。そんな高いワケじゃないけど、ポチったばかりのものの、4倍です。ちょっと抵抗感あります。

SVAROGLymanによく似た鼓型のモールドを作ってるのを知ってたので、ひょっとして怪しいパチモンメーカーじゃないかという不安があったり。えーどうしよっかなぁー、なんてあまりその気じゃない感じで眺めてたんですが、よく見たらすごく気になる形をしてました。

おお、こいつは…!ひょっとしてワッヅに固定して使えるのか…!?

こういう弾頭もブリネッキタイプだと思ってたんですが、プラムバタスラッグというみたいです。弾頭のお尻にプラスチックワッヅがついたものをそう呼ぶのかな?

レッドバードの新弾頭もプラムバタスラッグですよね…?「Dangerous Game Slug」のような弾頭。

DGS弾頭は海外で売ってますけど、この手のモールドは見たことない…。しかもホローポイント。これはちょっと試したい…!

しかも出てこないときは全く出てこないそうです、20番のモールド。ということで即ポチです。

モールドが届くまで色々と調べてみたんですが、まだあんまり情報が出てこなかったです。

YouTubeには12番のモノですが動画がありました。

威力については十分ありそうですが、グルーピングは良くわかりませんね。

とにかく、作ってみないと!


やってきた”SVAROG”「AS-Company」のモールド

ポチってちょうど2週間、ロシアより到着。

SVAROGスヴァローグという、スラブ神話?の太陽神だか火の精霊だかの意味らしいです。

ちなみにこの弾頭、12番は「Zveroboy」と名付けられてますが、なぜか20番は「control expansion slug」。

※「AS-company」の「control expansion slug」というモールドです。

Zveroboyズヴェロボイ弟切草という意味だそうですよ。いちいち中二病っぽいけどカッコいい。

eBayで購入したのですが、上の写真は12番のものみたいですね。届いた20番のモールドとの大きな違いは、20番は弾頭が3分割です。違うものが届いたのかと少々焦りました。

さて届いたモールドで早速鋳造を始めるんですが、ここでいきなり問題が発生。


いくらやってもシワシワ(湯境)ができる…

鋳造しててシワシワ(湯境というらしい)はいままでもできたことあったんですよね。大体は鋳型の温度が低かったりが原因で、モールドが暖まってくると解消されてたんです。

それがこのモールドだと全然ダメ。いくらやってもシワシワのまま。

シワシワ弾頭…

ヒントが欲しくてTwitterで呟いてみたところ、フォロワーさんからナイスなアドバイスが。

なるほど。

メルティングポットの温度設定は全開なんで、あとは鋳込みの速度を上げてやる方法かなと思ったんです。

そういえば、鋳造用の柄杓があったことを思い出したので試しに使ってみたところ…

右がシワシワ弾頭、左が柄杓です。劇的に改善されました。鋳込みの速度が足らないのなら、湯量を増やしてやればいいじゃない。

でもこのまま柄杓でやるのは面倒くさい。ドジっ子な僕はいつかひっくり返すに違いないので、ポットを改造してやることにしました。改造と言ってもそんな難しい話じゃありません。

ポットの出口の口径を広げてやるだけです。1.5㎜幅程度しかなかったところを、ドリルで4㎜まで拡張してやりました。たったこれだけなんですが、キレイな弾頭が安定して作れる別物のポットになりましたよ。

最近はちょっと手慣れてきて、速度も重量の誤差も少なくなってきました。


弾頭をワッヅと固定

できた弾頭をプラスチックワッヅと固定します。ネジはホームセンターに売ってる安物ネジです。

手元にあるワッヅは

  • B&P Commander 20 (#020TC20)」
  • CLAYBUSTER WAA20 Replacement Wad (#CB 1078-20)」
  • FEDERAL 20S1

この3種類。どのワッヅもカップの羽は切り落として使います。どれもただ乗せてネジ止めするだけなんですが、「Commander 20」のワッヅだけ安定感が違います。専用品かと思うくらいぴったりなんです。

ネジはホームセンターで普通に売ってる安いネジを使用してます。太さ3㎜×長さ16㎜、頭経5.5㎜のユニクロタッピング・鍋ネジです。長さはもう2㎜くらいあった方がよさそう気もしますね〜。

このまま詰めると、ロールクリンプするのに高さが合わないので10㎜の「Waxed Hard Card Wad」を一番下に入れて調整してやりました。「Waxed Hard Card Wad」はこれでもかというくらいゴリゴリに押し込みます。その上から弾頭&プラスチックワッヅを適度な圧力で押し込みます。

これを弾職人の先輩からお借りした、伝説のロールクリンパーで捲いてやります。

このロールクリンパーが本当すばらしいのです。素人の僕がやってもキレイに捲けてしまうんです。よっぽどヘマをしないかぎり、簡単にキレイに捲けてしまいます。

ちなみにこの弾頭はロールクリンプのみでスタークリンプは試してません。レミントンRXPのハルが硬いのでスタークリンプがやりにくいのもあるんですが、大きな理由は弾頭が見えてる方がカッコいいからです。グリスも塗れるし…。

そんな感じで出来上がるロシア製ホローポイント。チラリと見えるネジがカッコ良くないですか?

ちなみに「FEDERAL 20S1」ワッヅはフニャフニャして詰める前から当たる予感がしなかったので、除外しました…。

試すのは「B&P Commander 20」と「CLAYBUSTER WAA20 Replacement Wad」のみです。

「ロシアのすごいヤツ!AS-companyのスラッグ(実射編)」に続きます。