20番スラッグのハンドロード始めました

 

Contents

20番スラッグのハンドロード始めました

突然ですが夏頃から20番のハンドロード始めました。

ハンドロードをブログネタにするには、ある程度は「纏まる弾」が作れるようになってからと思っていたのですが、やっと狩猟にも射撃にも使えそうな弾のレシピが出来たのでボチボチ書いていこうかと思います。

20番のハンドロードを始めたきっかけ

僕は以前、12番はLyman525弾頭でサボットをテキトーに詰めてました。が、M870のハーフ・ライフル銃身もあんまり使わなくなり、リロ氏の元へ旅立ち、もう手詰めすることもないかな〜と思っていたのです。

20番のリロードを考えたこともあったのですが、”20番=フォスター弾頭”というイメージが強く、難しそうで敬遠していました。
ファクトリーロード並みの精度が出せるかわからないし、費用対効果が見込めないような気がしてたんです。

ところが、今年度から始めたランニングターゲット、そこの先輩から初期型のMSS-20で良い感じに纏まったという、面白い弾の話を教えていただいて、どうしても試したくなってしまったのです。
ホントにそんな弾頭で当たるの!?って僕には、にわかには信じがたい話だったので。

その弾頭が、こちら

ラウンドボールというただの丸い弾です。

もうね、興味津々ですよ。弾頭って長い年月をかけて進化してきたはず。僕の中でその初期の火縄銃だとか、マスケット銃だとかのイメージなわけですよ、丸弾って。
時代に逆行してる感&そんな弾が握り拳程度に纏まるなんて話を聞いた日には試すしかないじゃないですか…!

まー、どのみち道具を買ってしまえば後には引けないわけです。ファクトリーロードが当たる、当たらないで悩むくらいなら、自分で納得いく弾が作れるか悩むほうが精神衛生上良さそう!と、いつもの前向きな考え方で始めることにしました。


ハンドロードに必要なもの

さて、やると決めたら道具を揃えないとけません。
ハンドロードに必要なものをざっと上げると、

  • 鉛を溶かす、「メルティングポット
  • 弾頭を作る鋳型、「モールド
  • 薬莢のリサイズやら雷管抜いたり入れたりできる「リローダー

メルティングポットは手持ちがそのまま使えるので、モールド選びから。先輩に教えてもらったLEEの「.575 Round Ball」ともう一つ、「.578 MINIE」というのを買ってみました。

リローダーはLEEの「LOAD ALL Ⅱ」があるので20番のコンバージョンキットも考えたのですが、どうせなら違うメーカーのを使ってみたい…という気になりまして、MECのリローダー、「600 JR MARK V」にしました。

あとは、ワッヅとニトロカードも注文して待つこと10日間ほど。

一つのお店で全部揃えることが出来ず、結局二店舗から取り寄せたので送料も多めにかかってしまいました…。

ちなみにリローダーは輸入してもあんまりおいしくなかったです…。送料が結構かかるので国内で買うのとそんなに違いはありませんでした。それでも差額ですべての送料を賄えましたけど。

 

道具も材料も揃ったところで鋳造開始です。12番の時はかなりいい加減でしたが、20番は心を入れ替えて真面目に。弾頭重量の誤差は±4gr程度を目標に作りました。慣れないもんで100個の弾頭作るのに200個は溶かし直しましたよ…。

出来上がった弾頭をシェルに詰めます。僕はレミントンRXPのシェルを使っています。レッドバードのシェルも使ってみましたが、雷管が緩いことがあってポロっと取れることがあったり…。

また、シェルが違えば同じ弾頭、同じ薬量でも初速は変わるようです。「レミントンRXP」のシェルで平均1450FPS出た構成で、「レッドバード」だと平均1280FPS。170FPSも違いがでました。だからなんだという話ですが、足りない分なにかしらエネルギーをロスしてる?火薬が燃え切ってないとか。知らんけど。

ちなみに雷管は「FEDERAL・209A」、火薬は「HODGDON・LONGSHOT」です。薬量についてはナイショ。それを探るのもハンドロードの楽しみみたいな気がします。

と、まぁそんな感じでこのレミントンRXPの固めのハルに棒をグリグリと入れて広げてやって、火薬を入れた後、ワッヅと弾頭を押しこんでやります。

レザークラフトに使うコーンスリッカーという道具がちょうど良い塩梅でお気に入り。

 

MECの「600 JR MARK V」はプレッシャーゲージがついているので、おおざっぱな僕でも安定した力で詰めることができます。
あと、プラスチック部品の多いLEEの「LOAD ALLⅡ」に比べて、ほぼ金属製のMEC「600 JR MARK V」。ちょっとやそっと乱暴に扱ったくらいじゃ壊れそうもないので、職場で破壊神呼ばわりされてる僕でも安心して使えます。

こうして詰めたものをクリンプするわけですが、ロールクリンプとスタークリンプ、どっちがいいのかサッパリわかりません。12番はスタークリンプ一択でしたが、20番は弾職人の先輩からお借りした、伝説のロールクリンパーもあります。
結局、今回はロールとスタークリンプの両方を用意しました。

そんな感じで弾を作ろうとすると、火薬量、ワッヅとニトロカードの組み合わせ、押し込む圧力、クリンプの種類とどこから試していいのかわからなくなってきます。おまけに平筒チョークとライフリングチョークも比較しないといけないですからね…。
僕的にはライフリングチョークで精度が良い弾を作りたいわけですよ。それがこのMSS-20のアイデンティティみたいなもんじゃないかと思っているわけです。チョーク交換式のメリットがハンドロードで見出せたら…と、ちょっと期待しちゃいます。

1回目はとりあえずどちらの弾頭が良いかお試し。まずは撃ってみないことには始まらんということで。
僕的には、このときラウンドボールよりMINIE弾頭の方が気になってたんです。

ラウンドボールは正直言うと期待してなかったのですが…。

 

ラウンドボールすげぇ…!いやはや、まだまだサッパリな状態でここまで纏まるとは…。こいつは研究しがいがありそうです。

一方、期待のMINIE弾頭ちゃんは…。的紙にも入らない…。火薬量が変えても、クリンプ変えても何も変わらない…。
僕の中でとりあえず、コイツの存在は無かったことになりました。


数日間を開けて2回目のラウンドボール試射。今回はワッヅの組み合わせやニトロカードの枚数を変えてみたり。

そしてこの結果。かなり纏まってきました。というか、僕の銃だと旧レッドバードでも4発同痕は滅多にないです…。
このあたりでリロード弾に可能性を感じ始めました。


そして3回目。前回の結果から作った弾から良さそうな組み合わせを3種類と、狩猟用を想定して火薬量を増やした弾で100メートルも挑戦。大体似たような感じ…?100メートルはなんだか期待外れ。ラウンドボールは75ヤードを超えると威力に難があるような話もあったし、狩猟用には向かないかもと思い始めます。

 

4回目。ちょっと構成を変えた弾で色々検証してみます。ワックスド・ハードカードを追加することでまた安定した弾になりました。

 

このレシピは、50メートルなら旧レッドバード並に纏まるように。不満げなツイートしてますが、内心は大喜びです。でもまだ纏まるはず、と欲は出てきてますがとりあえず射撃に使えそうな弾のレシピは出来た。そろそろ猟期も近づいてきているし、猟に使えそうな弾頭を探さねば…と思っていたそんな矢先、フォロワーさんが面白そうな弾頭を教えてくださいました。ちょっと人柱するにはお高いモールドだったのですが…。
これが期待以上のモールドっぽいのです。しかもライフリングチョークで精度向上という、ナイスな弾頭。

まだ検証途中ですが、この弾頭を今後メインに使っていくことになるかも。

新しい弾頭がお気に入りすぎて、ひょっとしたらラウンドボール弾はしばらく作らないかもしれないけど、もう少し煮詰めてみたい弾頭です。なんにせよ20番のハンドロードを始める、とても良い機会になりました。

教えて下さった先輩に感謝!