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ホワイトメタル弾頭の試射
もう猟期に入ってしまいましたが、ホワイトメタル2種で鋳造した弾頭を試射してきました。結果として期待以上の出来で、興奮さめやらぬ感じです。
使用した弾頭はいつものロシア製のモールドで作った弾頭。
ロシアン弾頭のモールドについて
ところで今までSVAROGというメーカーのモールドだと思ってましたが、どうもAS-Companyというメーカーのもののよう……。代理店の違いか何かなぁとも思ったりもしてたのですが、今現在AS-Companyに「Control Expansion Slug」というモールドも見つからないし、SVAROGには「ZVEROBOY」や「BOTFLY」という似たようなモールドもあるしでなんだかよくわからない……。
口径違いで瓜二つのモールドといい、何か大人の事情的なものもあるのかなと思いつつも、手元にあるのは「AS-Company」のパッケージのモールドなので、過去記事の方も訂正していきます。
混乱を招いてしまって申し訳ないです。
モールドの形状に多少の違いはあるものの、AS-COMPANYの「Shirinskogo-Shihmatova」が同じものだと思いますが……何とも言えません。
色々とあれなので、当ブログではもう「ロシアン弾頭」と呼ばせてもらいます。
実射
今回使用した弾頭は鋳造したものから無作為に選んだものです。弾頭重量も全部計ったわけではないですが、大体±3grでした。
非鉛弾頭21gr
それではまず試射用に作った21grから。これはスコープのゼロインが鉛弾頭の21grで合わせてあるので的紙に入らないことはないだろう、という希望的観測からです。
コストはともかく、鋳造するのが手間なので、なるべく無駄な消費は避けたいところ。
5発でCTC36mmという結果でした。10発ではあるけど、鉛弾頭でのベストなグルーピングがCTC37㎜だったので、同等かそれ以上のポテンシャルを秘めていそうです。
ただ、射撃でこの弾を使う気は今のところないので、これ以上突き詰めることはないでしょう……。
非鉛弾頭25gr
さて、ここからが本番。続いて25gr、今回狩猟用としては最少薬量です。
グルーピング
CTC64mm。散らばり具合もさることながら、2発横転していることがわかります。
鉛製も含めて、この弾頭を使ってここまで横転したのは初めてです。
この弾は「無し」ですね……。
初速について、1回目はセンサー感度の設定ミスで計測できなかったので、4回になります。
初速
1回目 | — |
2回目 | 1763fps |
3回目 | 1777fps |
4回目 | 1743fps |
5回目 | 1773fps |
平均・・・1764fps
すごく速いですね。弾速計を見たときに思わず、「え、はや、ヤバイ」と感嘆の声がもれました。語彙力。
最少薬量でこれですよ。初速については期待大。でもグループ見た限り正直まとまらないのではないかとも思ってしまいました。
非鉛弾頭26gr
グルーピング
手詰め弾で久しぶりに鳥肌が立ちました。射撃中にあんまり呟くことはしないのですが、驚きを伝えたくてつい呟いてしまったほど。
CTC18㎜です。
今まで作ってきた弾の中で一番まとまりました。3発目撃ったときに的紙にすら当たってないのではないかと不安になりましたよ。横転弾に1gr足しただけでこの素晴らしいグルーピングです。
これだから手詰めって面白い……!
初速は次の通りです。
初速
1回目 | 1819fps |
2回目 | 1809fps |
3回目 | 1824fps |
4回目 | 1826fps |
5回目 | 1830fps |
平均・・・1821fps
サボット並みの弾速です。色々と期待しちゃいますね。
もうこの時点で今期はこのレシピで決まりという感じです。
非鉛弾頭27gr
26gを見た後じゃ残りは消化ゲームのような気もしなくもないのですが、ひょっとして……という期待を込めて引き続き集中して撃ちます。
グルーピング
CTC51mm。先ほどに比べるとかなり開きました。1grでこの差。これだから手詰め(以下略
初速はこんな感じです。
初速
1回目 | 1855fps |
2回目 | 1856fps |
3回目 | 1896fps |
4回目 | 1886fps |
5回目 | 1867fps |
平均・・・1872fps
こっちは順調に伸びてますね。
非鉛弾頭28gr
最後に28grです。すでに26grを実践テストへ導入する気になっていたので、26grの的でゼロインを合わせてから射撃しました。
グルーピング
CTC50mmです。こんどはあまり変化がないですね。
初速
1回目 | 1914fps |
2回目 | 1922fps |
3回目 | 1931fps |
4回目 | 1913fps |
5回目 | 1912fps |
平均・・・1918fps
弾速はついに1900台へ。初速だけなら2000fpsも狙えそうです。
ついでに鉛弾頭28gr
ついでに前期まで使っていた28grも撃ってきました。もし非鉛弾頭が纏まらなければ、これでゼロインを合わせねばならなかったので作っておきました。
グルーピング
初速
1回目 | 1691fps |
2回目 | 1689fps |
3回目 | 1683fps |
4回目 | 1685fps |
5回目 | 1680fps |
6回目 | 1677fps |
7回目 | 1675fps |
8回目 | 1683fps |
9回目 | 1685fps |
10回目 | 1684fps |
平均・・・1684fps
CTC49mm、千葉での狩猟であれば充分な弾です。
薬量が変わっても弾道が変化しない?
さて、非鉛弾頭27grを撃っていて気づいたのですが、火薬量が増えても弾道に変化があまりないように見えます。
21gr、25gr、26grのPOIを確認すると……。大体似たような位置に当たっています。スラッグなら誤差とも言えるレベルです。
鉛弾頭だと1gr違えば弾着もかなり違ってきます。21grと28grでは30㎝程度の差があります。
弾頭の軽さか、材質の硬さが影響しているのは間違いなさそうですが……。
何が起きているのか、わかる方がいましたら教えてください。
100メートルでのテスト
別日に26grで詰めた弾を100mでテストをしてきました。
スコープはこの日、LEUPOLDのUltimateSlam2−7に変更したので射手の腕の誤差も考えつつ参考にしてください。
大体15㎝ほどのドロップです。グルーピングも悪くない。
軽い弾頭はある距離から急激にドロップするとフォロワーさんに教えていただいたので気になるところではありましたが、100mまでなら問題なさそうです。
とりあえず実猟には問題なく使えそうなグループと初速は出てるし、このまま実猟でも使用してみます。
最後に
今回作ったホワイトメタル2種の非鉛弾頭は全体的にマイルドな反動でした。何発でも撃てちゃいそうです。
雷管の状態もまだ余裕がありそうなので、もう少し多めの薬量も試してみたいところです。グループもあまり変わらないようであれば、初速と100mでのドロップ具合の様子を見ながら薬量を変えるかもしれません。
ちなみに今回の試射で使ったどの弾も、僕のMSS-20で撃ったレッドバードより纏まってます。
それにしても26gr、良いですね~。前述したとおり、作るのに手間かかるので射撃にはあんまり使いたくないですが、これなら夜間銃猟講習の「射撃技能の確認」も自信をもって挑めそうです。猟場でどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。