ミロク MSS-20

M870に続いて、MSS-20のお話。

僕のMSS-20は知人の紹介で入手しました。MSS-20の精度は自衛隊同期の猟友から聞いていたので、いつかは欲しい銃の候補になっていました。
とはいえ、狩猟を始めたばかりで他にも揃えるものが沢山あり、なかなか次の銃に手が出せる状況でもなく。

とある用事で神奈川の銃砲店へ行ったときに、その猟友と共通の知人に偶然会いました。挨拶もそこそこに、「MSS-20を7万で売りたいって人がいるよ〜」とのこと。
それを聞いて、「あ、買います」と思わず即答してしまいました。

あまりの即答ぶりに最初は冗談だと思われてしまったようで、後日連絡したところ「本気だったの!?」と言われてしまう始末。そんな経緯がありながら僕の手元にやってきました。

Contents

なぜMSS-20?


MSS-20はスムースボアのスラッグ銃の中でも精度の高い銃だと言われています。スラッグ射撃の大会でも上位の常連のようです。
M870を買う前に、ボルト式散弾銃にも興味はありましたが、速射性が低そうという理由と、射程の近い千葉での猟には不向きだと思っていました。しかし27年度の猟期を終えて、単独猟では速射性はそんなに求められず、千葉でも場所によっては射程があることがわかりました。そんなことから、精度があると言われてるMSS-20が欲しいと思うようになりました。

使ってみてわかった、良い点

 

やはり精度が良い

僕のはMSS-20の中でも、あまり評判の良くない交換式チョークの銃身ですが、
それでもM870と比べると精度は良いと思います。M870では、ど真ん中を狙って中てた、という確信のある射撃はなかなかできません。
その点MSS-20はゼロイン調整をして、すぐにその精度を体感できました。弾のまとまり方が全然違います。

反動が軽い

20番ということもありかなり反動が軽く、12番のM870と比べると雲泥の差があると思います。
それでも、50発くらい撃つと流石に少し痛みが出てきますので、リムセーバーを装着してみました。これで更に衝撃が緩和されました。フリンチングも減少したような気がします。

 

トリガーフィーリングが良い

見出しの表現が合ってるのかわかりませんが、MSS-20を使うようになって、M870のトリガーが気になるようになりました。
ニブい僕でも気付くほど、歴然の差があります。カチッとした切れ、適度な遊び。引き金を引いたと同時に弾がでる、そんな感覚です。引き金を引いて撃発させるのに必要な力が、すぐ覚えられました。

あまり銃の知識がないので、もしかするとMSS-20の特性というより、ボルト式の特性かもしれませんが。

ライフルのような外観

散弾銃なのに、ライフルのような外観。初めてMSS-20を知った時は衝撃で、僕にとって、「THE・猟師」というイメージでたまらなくカッコ良く見えました。

見た目が気に入るかどうかというのは重要だと思います。

悪い点

弾倉が使いにくい

弾倉内1発、薬室内1発入れられますが、これが非常に使いにくいと感じます。僕の銃だけの個癖かもしれませんが、弾倉から弾を装填しようとすると、ガチャガチャ音は鳴るし、装填が上手くいかなかったりと2発詰めることに利点を感じません。もともと忍び猟でしか運用を考えてなかったので、猟場では村田銃のように装填してます。

交換式チョーク銃身の欠点?

精度が良いと書いたのに、矛盾する内容なのですが、初期型の銃身と比べると銃身が熱くなるにつれ、段々と弾のバラつき方が広がっていく気がします。
これはちゃんと検証してないので、不確かなのですが…。
もちろん、射手の腕もありますし、先入観のせいで疑心暗鬼になっているのかもしれません。でも気のせいじゃないと思う…。
弾速計と赤外線放射温度計を手に入れたので、そのうち温度と初速の関係から調べてみようかと思っています。

仮にチョーク部を切り詰めたとして、精度が上がるのか、この辺りも知りたいところですが、一度やると元に戻せないのが辛い…。

ただ、精度に関しては、「熱くなる」と良くないかも?というだけです。冷えた状態からの5発くらいまでは、とても良くまとまります。狩猟で使うなら、何も問題ありません。最近、スラッグ射撃の大会へ出場するのに何度か練習して気になった点でした

 

可変式チークピース

これは、僕のMSS-20の話ですが、まず下の画像を見て下さい。



前のオーナーのコダワリが感じられるストックです。ストックは少し切り詰めてあり、グリップ回りも握りやすく削ってあります。おまけに可変式チークピースに加工してあります。

しばらくはそのまま使っていましが、スコープを交換した際にちょっとチークピースの高さが合わなくなり、初めて高さの調整をしようと思いました。

ネジを緩めてみましたが、どうも様子がおかしい…。ちょっと強引に力を加えたその時…

パッカーン!!


何が起こったのか一瞬わかりませんでしたが、どうやら可変チークピース風のカスタムだったようです…。ワッシャーを接着材でつけてただけです!
ある意味すごいコダワリだと思いました。
ここまでするなら、ちゃんと可変式にするのもそんなに手間じゃないと思いますが…。


噂によると一時期、東京の辺りでこんなカスタムが流行ったとか流行ってないとか。

見なかったことにして、大人しくブラックホーク製のチークパッドで高さを調整して使ってます。

 



最後はオチ的な話になりましたが、僕がライフルを持てるまで、あと7年あります。更に、千葉県はライフルで狩猟はできないので、用途を考えるとMSS-20との付き合いも長くなりそうです。

そのうちGRSなんかのストックに交換するのも、原価償却的に考えてもアリかもしれません。
そんな感じで物欲が尽きない自分を戒めもせず甘やかしています。