皆さんヘッドウェアは何を使ってますか?
キャップにハット、ビーニー。目的も防寒から日除け、若しくは少しでも目立つようにと様々でしょう。
僕も今までいろんなヘッドウェアを使ってきましたが、2020年度の忍び猟はヘルメットを使用してました。
狩猟にヘルメットってちょっと大袈裟のように思えますが、使ってみるとなかなか便利。
今回は狩猟で使うヘルメットの魅力を紹介したいと思います。
Contents
これまでのヘルメット歴
今期から猟でヘルメットを積極的に使いだしたわけですが、実は猟にヘルメットを導入するのは2度目。2回目の猟期の終わり頃に滑落を経験したことがきっかけで、CLIMBING TECHNOLOGY社製のクライミングヘルメットを購入しました。
ちょこっとカスタムしたりしつつ、猟期中しばらく使用しましたが、電子イヤマフが装着できないのとGoProをつけた時のバランスの悪さが気になってどうもイマイチ……。結局1シーズン使わずにタンスの肥やしに。
もうヘルメットはいいかな、なんて思っていたのに2個目を購入。
その理由にこれもまた今期から使い始めた電子イヤマフ、PELTOR COMTAC Ⅲの存在があります。
電子イヤマフは聴力保護に役立つとても重要なアイテムですが、帽子との相性が悪かったり、長時間装着していたら痛くなることも。また、汗をかくような状況になると耳が蒸れてしまい、不快感から電子イヤマフを外したくなることがあります。
そういうことを僕が猟場でやると大抵落としまうのです……。
今まで何度も斜面を転がした経験がありますが、もしCOMTAC Ⅲを落っことして失くしでもしたら凹み具合が半端ないのは容易に予想できます。
何か良い手がないかと思っていたら、サバゲーで使っていたOPS-COREレプリカの存在を思い出しました。
「イヤマフをヘルメットに直付けしたら解決するのでは?」
ものは試しと早速ヘルメットに取り付けるためのブラケット購入。使用してみたら前述したイヤマフの欠点を全て補ってくれそう。
これは今期試してみるしかない!と思っていたところに、TEAM WENDYの出物があったので飛びつきました。
TEAM WENDY 「EXFIL CARBON BUMP HELMET」
手に入れたヘルメットは「Team Wendy EXFIL CARBON BUMP HELMET」です。
Team Wendy EXFIL CARBON BUMP HELMETはアメリカ陸軍Natick Soldier RD&E Centerの研究開発プログラムで開発された
https://frontlines.jp/team-wendy-tw-71/
テクノロジーを用いてTeam Wendy改良されたマルチインパクト性能を搭載した顎紐と
ライナーのハイブリット構造による衝撃制御システムです。
優れたライナーシステムは頭部を完全に固定し、頭部との一体化を図ると同時に計算されたエアフローはヘルメット内部を快適に保ちます。
正直なところ、僕がヘルメットに求めた機能面ではTEAMWENDYもOPS-COREレプリカもほとんど差はありません。
これだけの目的だったので、最低限ヘルメットにレールが付いていればOKでした。
電子イヤマフとアクションカメラ運用してて、しっくりこなくて悩んでる人は是非レール付きのヘルメットを試して欲しい!
そして、このEXFIL CARBON BUMP HELMET。
今まで公私共に数々のヘルメットを被ってきましたが、その中でも断トツの快適さです。
Team Wendy EXFIL CARBON BUMP HELMETの良い点
ヘッドバンドが調整しやすい
ヘッドバンドの調整はBoa Closure Systemという調整機構で行います。ダイヤルを回せばワイヤーが収縮して簡単に締め付けでき、解除もダイヤルを引っ張るだけ。
保持力もしっかりしていて一日被っていても緩まず、走ってもぴったりフィットしたままです。
OPS-COREレプリカにもBOAダイヤルがついてましたが、僕の持っていたのは被ってるうちに緩んだりとイマイチでした。
ライナーが優秀
ライナーは面ファスナーで留めてあるので、簡単に取り外して洗えます。
ほどほどに柔らかいパッドで頭部全体で支えるため、ハンモック式の某自衛隊の88式鉄帽のようなように長時間被っているとイライラするほど痛くなることもないし、坊主頭でも恥ずかしい跡がつきません。
カーボンファイバーシェルとベンチレーション
このヘルメットはカーボンファイバーシェル仕様で軽量かつ高強度な物となっています。
ポリカーボネート製のレプリカと比べても重さはほとんど変わりません。耐久度がどの程度違うのかわかりませんが、カーボンファイバーの響きがなにか強そうな気がします。
上部に設けられたベンチレーションで熱が籠もりにくくなっているので、多少は蒸れにくいです。
Wilcox®社製NVGマウントとEXFIL Carbon & LTP Rail 2.0
NVGマウントは社外製のGoProマウントとの相性も良いです。GoPro側のマウントの精度がいささか悪いのでガタつきますが、クッションを貼ることで許容できるものに。
僕の持っていたOPS-COREレプリカはNVGマウントとレールの精度が悪くて削る必要がありましたが、当然そんなこともありませんでした。
Team Wendy EXFIL CARBON BUMP HELMETを猟で使うときの残念な点
タクティカルヘルメットとしてのEXFIL CARBON BUMP HELMETに不満はほぼないです。とても優秀なヘルメットだと思います。ただ、猟に使うとなると残念な点が出てきますね。むしろこれは猟でヘルメットを使うことに言える不満だと思います。いや、僕の運用上での不満か……?
軽量なカーボンシェルといえど負担にはなる
軽いと言っても一日被っていたら地味に疲労が溜まります。
COMTAC Ⅲ、GoPro HERO7、モバイルバッテリーを合わせたら合計1.8kg程度になるので、日没頃には首がだるいです。
ヘルメット単体でも約820gあるので、帽子と比べたらなかなかの増量。
バイザーがないので逆光で見にくい
バイザーがないので光の当たり具合によってはとても見にくいです。偏光サングラスをかけて薄暗い谷の杉林で鹿を探しているときに光が差し込むと何も見えません。見えなすぎて発狂するレベル。
帽子の上からヘルメットを被ることも試してみましたが、時間の経過とともに頭が痛くなってきてしまいました。
イニシャルコストが高い
日本で買うと12万弱。Team Wendy EXFIL CARBON BUMP HELMETを猟で使う目的が、電子イヤマフ+GoProのためだけなら高すぎる買い物だと思います。
これだけのために導入するのはオススメしません。どうしてもTeam Wendy というなら「EXFIL LTP」か「EXFIL SAR TACTICAL」を薦めます。若しくはレプリカ。
余剰資金をスコープ予算に回した方が幸福度は高いハズ。
Team Wendy EXFIL CARBON BUMP HELMETに施した改善
以下、使い勝手が良くなるようにと施した改善点です。工夫次第で他のヘルメットにも応用できると思います。
バイザーの取り付け
下のようなバイザーを取り付けることで対処してみました。やっつけで面ファスナーテープを使ってみましたが、意外と外れませんでした。来期までにもう少しスマートにつけられるように加工したいと思っています。
ヘルメットカバーとポーチの取り付け
ヘルメットカバーはEXFIL CARBON BUMP HELMETのものではなく、OPS-COREレプリカの物を被せてみたらそんなに違和感なかったのでそのまま使ってます。
ヘルメットカバーにはカウンターウエイト用のポーチを取り付けてあり、ここにモバイルバッテリーを入れてGoProに給電しています。
僕が使っているGoPro HERO7は、バッテリーを入れたまま給電すると熱暴走を起こしてしまうので、この運用方法です。予備バッテリーは入れ替えるのが面倒だし、身体のポケットに入れるとコードが邪魔になるのでヘルメットにまとめておいたほうが都合が良いのです。モバイルバッテリーがGoPro使用時にカウンターウエイトにもなります。
インナーキャップの使用
水泳帽のようなインナーキャップを使用することで邪魔な前髪を収めることができます。ヘルメットは帽子に比べて額から汗が滴りやすいですが、インナーキャップを被ることで改善されます。オススメ。
猟にヘルメットは大袈裟だろうか?
見た目の物々しさから、大袈裟な装備に見えるヘルメット。ミリタリー系なら尚更かもしれません。
でも、もしもの事故のために防具を備えるというのは決して無駄なものではないと僕は考えます。
例えば、落石は傾斜と落下距離によって、時には恐ろしいスピードで飛んできます。拳程度の石でも致命傷になりかねません。
当たれば帽子じゃ間違いなく怪我をするでしょうし、ひょっとするとレプリカヘルメットでも落石を防げるかもしれません。
少なくともそんな場面に直面したときに、「ヘルメットを被ってなくて良かった〜」とはならないと思います。
少しの快適さと、もしもの時の保険を手にいれたと思えば安いのかもしれません。
安いに違いありません。
いや、絶対に安い!
そう思い込んで買いました。大事な投資だったのです。多分。
1シーズン通して使ってみましたが、僕の場合は猟でヘルメットを使用することのメリットの方がデメリットを上回っていると感じました。イヤマフを使わないときは跳ね上げておけるし、いざ撃つときとなったらすぐに装着できます。
そしてストラップを外すだけで一式脱げるというのは思いの外便利なのです。山の中で動作が増えればそれだけ物を紛失したりとトラブルの元になります。疲れてくれば尚更です。
イヤマフ+アクションカメラを運用する限り、来期もヘルメットを使うつもりです。
最後にTEAM WENDYとかなんだとかは予算オーバーだけどタクチコーな本格的ヘルメットが欲しい人。
もしもの時に00Buckくらいなら防いでくれそうなバリスティックヘルメットが欲しい人。
そんな人にオススメな低予算(2万円程度)で作れるバリスティックヘルメットを紹介したいと思います。
DH-132B CVC カスタム
戦闘車輌の乗組員向けのコンバットヘルメットでDH-132B CVCというケブラー製のヘルメットがあります。
これにレプリカのヘルメットの部品を移植すればタクティコーなバリスティックヘルメットを安価に作ることができます(シェルに穴開け加工などが必要です)。
※このヘルメットを紹介しようと思ったときは安上がりだったのですが、現在なかなかebayなどにも流れない&相場が高くなっています。
5.56mmや.308だと流石に貫通してますが9mmは止まっていますね。恐らくですが00buckでも止まるんじゃないでしょうか。知らんけど。
使用するレプリカヘルメットのメーカー等により仕様が異なるので、ざっと制作風景の紹介だけします。
こんな感じです。レールやNVGマウントなどを収まりのよいところで穴を開けてネジ留めしていきます。
ドリルビットはコバルト製の物がオススメだそうで。
最近、僕の周りでは猟でヘルメットを使う人がじわじわと増えてきています。
便利さだけでなく、安全も考えるのであれば決して大袈裟な装備ではないと思います。
ヘルメットを被って猟をすることが「浮いてる」と思われない程度には普及して欲しい、と思う今日この頃です。