2017/1/3
晴れ 気温:2.6℃/13.1℃
風向:西北西 風速 :1.4㎧
平成27年度はとにかく一人でイノシシのお尻を追ってばかりだったので、あんまり気にもしなかったんですが、僕の居住地の有害鳥獣駆除は巻狩りと箱罠が主体です。
元々有害鳥獣駆除での社会貢献を目的で始めた狩猟ですので、なるべく早く巻狩りをするグループに所属したいところでした。
ですので、平成28年度は早々に猟友会に入れてくれるグループがないか打診していたのですが…
いっこうに連絡がありませんでした。
後から分かったこと、これは地域性もあるので難しい点なんですが、誰でも受け入れてもらえるものではない、ということです。
見ず知らずの人間をいきなり面倒見てやってくれと投げこまれるのはどこのグループも難色を示します。
僕の地域は過去にいろいろトラブルがあったらしく特に慎重な印象です。
射撃場で仲良くなって…なんて話もありますが、じっくり撃ちたいクチなので、人の多い休日はなるべく避けてました。射撃場はいつも貸し切り状態ですので、いきなり自分でグループを開拓するのは極めて困難な状態です。でも、なんとかこの猟期はグループに入りたい…。
そこで考えたのは地元の人を介して紹介してもらうこと。猟友会を介さず、自分で探すことにしました。
僕は自衛隊でこっちに出てきた地方民なので、ツテがそんなにありません。
手っ取り早く自分の身分を保証してくれるのは会社の人だと思ったので、元上司に相談したら、知り合いにグループ猟をやってる人がいるから聞いてみてくれるとのこと。言ってみるもんだ、と喜んだのですが。
いっこうに連絡がありませんでした。
まぁ、いい、気長に待とう。一人でも狩猟はできるもん。とますます忍び猟に傾倒していくある日。
会社の後輩と食堂でイノシシ肉の話をしていた時でした。食堂のおばちゃんが「イノシシ肉は好きじゃない」と話しに乗ってきたのです。
理由を聞けばお父さんが沢山獲ってくるからとのこと。ダメ元でおばちゃんに相談したところ、お父さんを紹介していただけることに。
それから、あれよあれよという間に所属グループが決まりました。
会社の食堂でまさかイノシシ肉をキーワードにグループが決まるとは思いもしませんでした。何があるかわかりませんね。
かくしてなんとかグループにありつけた僕。グループ猟の初日は食堂のおばちゃんのお父さんであるKさんに、見切りについて教わります。
初めて人から狩猟について詳しく色々なことを教わりました。新しく学ぶことは多く、その中にでところどころ、自分で経験してきたことの答え合わせが出来ました。
一人でやって経験したことも無駄ではないとわかって嬉しく思いました。
しかし、Kさんの娘の紹介とはいえ、ぽっと出の部外者。やはり皆さんちょっとよそよそしい印象です。
なので、信用してもらうために出来ることをと、知っている猟場のルールは遵守、特に安全に関すること(無用な装填はしない、銃口の管理等)は徹底しました。
当たり前のことが出来なければ、周りに危険が生じます。出来なければ敬遠されるのは当然かもしれません。
得体の知れない人物を迎える側の立場で考えて、これを徹底したことは功を奏しました。おかげでわりと早く皆さんと打ち解けることが出来たと思います。
そして年が明けた1月3日。この日で3回目のグループ猟です。まだ獲物の姿は一度も見ていません。
この日僕は勤務明けの日で、少し遅れて猟場に到着。見切りも終わり、皆持ち場についてました。これは午前中は見学かな?と思っていたのですが、タツの変更で移動していたOさんに発見してもらい、持ち場まで案内してもらいました。
Oさんが犬に追い立てられたイノシシが通るであろう獣道を教えてくれます。下の獣害防止用のフェンス沿いか、目の前の丘を横切って脇を通過するとの見立てです。
僕は正直、そんなにドンピシャで通るのかと半信半疑でした。しかし、Oさんの予想は見事的中。その動画がこちらです。
※閲覧注意
犬の鳴き声が遠くから迫ってきたと思ったら、枯れ葉を踏みつける音が聞こえてきました。フェンス沿いを何かが移動してきます。
そのままフェンス沿いを来るかと思ったら、突然方向を変えて丘を上がってきました。イノシシです。
イノシシが突然方向を変えた場所は僕達が入ってきた場所です。恐らく匂いで勘づいたのでしょう。
途中イノシシが止まったのでトリガーを引きましたが、撃発しません。解除していたはずの安全装置がいつのまにかかかっていました…。
慌てて解除したところで、こちらの存在に気付いたイノシシ。
脇をすり抜けようと向かってきます。動画だと一瞬ですが、この時僕にはスローモーションのように見えてました。
一度目に引き金を引いたとき、しっかりイノシシが停止したように見えましたが、実際は一瞬です。もしこの時に撃発していたら、外していたでしょう。
怪我の功名というか 災い転じて福となすというか。まぁ結果オーライなラッキーでした。
こうして3回目にして初めてのグループ猟の獲物を捕獲することができました。
小さいイノシシですが、グループの皆にお祝いの言葉をいただいて、ようやく仲間の一員として認められたかなと思った一日でした。
※後日会社の元上司の方からも、猟隊を紹介してもらえる流れになりましたが、すでに今の猟隊に所属しましたので丁重にお断りしました。