今期も単独忍び猟に力を入れましたが、犬を使わないグループ猟も何度かやってみました。
やってみたら出猟回数の割に意外と捕獲率が高く、少人数でも出来たので意外と良いかもしれません。
Contents
二人で鹿狩り
2018年1月14日
天候:晴れ
気温:-4.4℃/7.9℃
最多風向:東
平均風速 :1.5㎧
使用銃:M870
猟友のY根さん(二人でイノシシ猟)と出猟。この日は出猟した時間も遅く、今期見つけた猟場(イノシシを半矢で逃す)を紹介がてらヤマドリを狙いに行きました。
一度だけヤマドリを撃つチャンスがありましたが、見事に外してしまいまして。結局日没1時間前まで粘ったものの、獲物なし。
最初は「獲物がなくても良いよね~」なんて言ってたものの、せっかく久しぶりに二人で出猟したのだし、お土産は欲しい…。
Y根さんのお子さん達は鹿肉がお好きだそうなので、日没までシカを狙うことにしました。
反対側の山へ移動。ここもシカのいる場所が大体わかってきていたので、ピンポイントでそこを攻めることに。いつものアプローチと逆方向から侵入しました。
目当ての場所付近で、Y根さんが一つの経路の前で立ち止まりました。よく使ってそうで気になったようです。
気ままな共猟ですし、気になる径路を見つけたのにそれを制してまで追従させる野暮なことはしません。
なんていいつつ、居場所はわかっててもシカの逃走経路がよくわからなかったのもあり…。どっちに逃げてるのか、肝心なところが不明なままでした。「ここで待ってて」なんて指示できる程、僕も猟場を把握できていません。
Y根さんをそのまま放置、僕は稜線に上がり反対側の斜面へ。予定の場所へコッソリ到達すると、何かいる気配。足音の感じから、最初はキョンかと思いましたが、それにしては大きい足音、イノシシにしては静か。恐らくシカだと。
ただ、毎度のことながら灌木で姿が見えないんですよね。何とか姿が見えないものかとしばらく粘ってみたものの一向に姿を見せません。
日没まで残りわずかだし、これが最初で最後の鹿チャンス。飛ばれてもいいやぐらいの気持ちでワザと音を立ててみます。
直後に警戒鳴きをしましたが、すぐに逃げ出す様子もない。ウロウロしては立ち止まり、警戒鳴きを繰り返します。状況は変わらず、姿は見えないまま…。
もう一度、今度は枯葉をワシャワシャと踏んで音を立てると、再び動き始めました。
ようやく姿が見えたシカに向けて1発撃つも外れ。でもシカがY根さんの方向へ逃げて行くのが見えました。
お互い無線を持っていなかったので、大声で「そっち行ったよー!!」と叫ぶと「はーい!」という元気な返事。しばらくして聞こえる3発の銃声。しーんと静まり返る日没前の山。
Y根さんに止めたかどうか大声で問うも、何を言ってるか良く聞こえません。足早にY根さんの方へ向かいます。
おーい、おーいと声を掛けながら向かうと、「ここ!ここ!」とY根さんの声。かなり下から聞こえます。「止めた?止めたっすかー?」と問うと、「二頭止めましたよー!」という答えが返ってきました。
シカは、Y根さんが気になって立ち止まった経路をそのまま歩いてきたそうで。
1頭目は腰辺りに命中、止め矢の1発はバイタルに。2頭目はヘッドショットで即倒。
流石…!
でもその後、獲物はゴロゴロと谷を転げ落ち、足場の悪い、なんとも難儀な場所で止まってました。
急いで車へ解体道具セットを取りに戻りましたが、現地に戻った頃にはあたりは真っ暗。
おまけに、引き上げようにもロープの長さが足らず、その場で解体することに。真っ暗な中、ライトを頼りに谷で解体でするハメになりました。
でもこんな状況でも二人なら心細さも感じませんね。一人なら途方に暮れてたかも。
獲れたシカはY根さんに総取りしてもらって、僕はY根さんの奥さん手製のイノシシ餃子をお土産にいただいて帰りました。
そういえば彼との出猟は、必ず何かしら獲物が獲れてます。新たなジンクスの予感。
勢子役で仕留める
2018年2月9日
天候:晴れ
気温:-6.8℃/10.5℃
最多風向:東
平均風速 :0.9㎧
使用銃:MSS-20
この日はTwitterのフォロワーさん、ヤス@インプさんと、その猟隊のお2人と出猟。
僕が稜線を歩き、その下の経路にタツ3人を配置。
この山に入るのは3回目。完璧ではないですが、ある程度地形は把握してます。稜線を歩くくらいなら大丈夫、なハズでした。
山の形状は馬蹄型なので入り口と出口は、ほぼ同じ場所です。奥の山へと続く道もありますが、曲がる尾根を見落とすワケがないとタカをくくってたんですが…。
途中、幅広な尾根を抜けるのに、なるべくタツの居る東側にシカが下りてくれればと、西側の端を歩きましたが、このせいで見事に経路を間違えて奥の山へ。
「あれ、尾根からの風景こんなだっけか?」とウロウロしてると、谷をシカの群れが下りて行くのが見えました。そっとシカの群れを追いかけて尾根を下り始めて、見慣れない景色で径路を間違えたと認識。
来た道を戻って気付きましたが、西側の端を歩くと曲がって行く尾根が全く見えませんでした。
「千葉の山には魔物が居る」なんて自衛隊に居た頃聞きましたが…。地図を見ながら登っても、見えてる尾根に上がれない、なんてことがあるそうです。考えてみれば、空挺レンジャー課程で訓練するような地形ですからね、低山だと舐めるべからず。
気を取り直し、予定のルートへ。ここからは南側の斜面を特に注意しながら進みます。
前々日に出猟した時、ここでイノシシが2頭寝ているのを見つけたんです。
当初、僕はイノシシの存在に気付かず、更に下を移動するサルの群れを観察していました。サルの観察にも飽きてきて、ふと視線を動かした時に入った丸太二本。
よく見てみるとイノシシが寄り添うように固まってます。
サルを観察してる3分間程の間、じっとしていたようです。
え!っとビックリして銃を向けた瞬間に、別々の方向に猛ダッシュで逃げてしまいました。
ホントに銃向けた瞬間でしたからね。銃が向けられたことで、見つかったと判断したんでしょうか。イノシシすごい。
この日も近くの場所でイノシシが寝ているのを発見。半矢にしてしまったのか、近くに着弾してびっくりして谷を転げ落ちただけなのか不明ですが、逃してしまいました。
応援に駆けつけてくれたヤスさんと探しましたが、何の痕跡も見つからず。
乾いた土とまばらな落ち葉の上で足跡を追跡する技術はまだありません…。
このあたりも来期に向けての課題でしょうか。
一滴の血も見当たらず、半矢かどうかも不明なまま、モヤモヤしてしまう結果になってしまい、ヤスさんとトボトボと下山。
ところが、下山途中に違和感のある丸太を発見。
またイノシシが寝てる!と思ったのですが、シカでした。
即装填して、1発。少し動いたので、念の為もう一発。
弾は2発とも肺に命中してました。立派なツノを持った雄鹿でした。
これは戻る道中の出来事で、たまたまシカが獲れただけですが、もし犬を入れていたなら、このシカは居なかったかもしれません。
こういう点も犬無しグループ猟のメリットかなと思いました。
犬無しグループ猟も面白い。
チンタラコツコツとこの記事を書いている間に、犬無しで巻狩りをしている猟隊の方とお話しする機会がありました。
獲物が犬に追われるよりもゆっくり逃げてくるらしく、狙いやすいそうです。
そちらでは、勢子役は声を出したり、爆竹を鳴らしたり、ビーコンを使ったりと色々と工夫をされているようですね。
僕が勢子役をやる時は、いつもと同じ忍びの要領です。これは「派手に追い立てた時と逃走経路が変わるかも?」という懸念と、単に僕が忍びで歩くのが好きだからという理由です。
どこまで獲物に寄れるか、常にそれは試したい傾向があります。
でもその話を聞いて、音を出しながらというのも来期は試してみたいと思いました。僕が使ってみるならエアホーンかな。またゆっくりとお話を伺いたいです。
「三人で忍び猟」のようなやり方も、もっと磨いてみたいと思っています。個人的にはこちらの方が好きですが、全員が山を熟知してないとなかなか難しい点もあります。
即席でやるには、巻狩り的な方が良さそうです。
元々、犬を持ってないハンター同士が集まってゆる~く楽しむ感じで始めてみましたが、なかなか猟果の良い、犬無しグループ猟。
巻狩りをやりたいけど、犬がいない。
単独忍び猟でやってるけど結果が出ない。
そんな時は、気の合う仲間を誘って、ゆる~くやってみるのも一つの手かもしれません。