弾速計(クロノグラフ)【MagnetoSpeed Sporter】


S510のsweet spot、いわゆる「美味しいところ」を探す日々(エアライフルは充填圧でペレット(弾)のまとまりにバラつきがありますが、そのバラつきが少ない圧力を「美味しいところ」と言うそうです)。
大体の調子の良い圧力は分かってきたのですが、自分の銃のパワーカーブを知りたくなりました。

ちょうど山梨の猟友が弾速計(クロノグラフ)を海外から購入するそうなので、便乗することにしました。
僕はサボット弾の手詰めもしますし、他にも調べたいことがあったので、持ってても色々使えていいかなぁと。

とはいえ、全く予備知識もないのでさくっと調べてみました。「週末猟師」さんのこちらの記事が参考になりました。

最初は少し安価な光学式を考えたのですが、使用にはそこそこの光量が必要なようです。屋内でもライトを別途使用することで解消できるようですが、準備がちょっと面倒臭そう。

 

磁気式の「Magnetospeed」がコンパクトですし、良さそうに思いました。

猟友が買う物と同じ「Sporter」を注文。あんまり深く考えずに買ったのですが…。

 

 

彼は果物農家の倅なので、この時期になるといつも桃を送ってくれます。ありがたい。

おまとめ買いで送料割り勘。桃とナスと同梱されたクロノグラフ…

MagnetoSpeed Sporter

 

Contents

【MagnetoSpeed Sporter】はエアライフルでつかえない!?



品物が届いたので、自慢げにTwitterに投稿したところ、フォロワーさんに「それエアライフルに使えないよ!」と指摘を受けました…。

調べてみたら「Sporterはセンサー感度が3段階(REG・Hi 1・Hi 2)しか調整できず、エアライフルの小さなペレットを検知しないそうで…。海外のフォーラムなんか見ても「使えない」という残念なお知らせばかりです。ちゃんと調べておくべきでした…。

藁にもすがる思いで、Google翻訳をフル活用して調べてみると下記の投稿が見つかりました。


MagnetoSpeed Sporter working w/airguns & large diameter shrouds & moderators


要約すれば、「Sporter」をエアライフルでそのまま使用すると、シュラウドやバレル厚のせいで、センサーと弾道のギャップが広くて検知出来ない。そこでネオジム磁石を使用して、センサーと弾道のギャップを物理的に埋めてやれば計測できるという内容です。

なるほど、理屈は理解できました。

まずはネオジム磁石を用意する必要があります。そういえば、換気扇のフィルターを貼るために、百均で買ったネオジム磁石を使用していたことを思い出しました。油まみれのネオジム磁石を洗ってセンサーに載せてみます。センサー部も磁石なのでピタッとひっつきました。

次に、銃口に洗い矢をさして、磁石を何枚重ねれば良いか見てみます。3枚重ねると弾が磁石に当たりそうで厳しいかもしれない…。

事前に情報を入手できて助かりました。偉大なる人柱先人達の経験。
早速射撃場で検証してみます。

 

いざ検証


 

まずはネオジム磁石なしで。
パスンという発射音と同時に画面を見ます。が、何の変化もありません…。
センサー感度を「Hi 2」に上げてもう一発撃ってみますがダメです。フォロワーさんの言う通りでした。

では、ここからネオジム磁石を使用してみます。まずは1枚。

パスン。

…何も変わらない。射場が暑いからか冷や汗なのか…。額から汗が流れます。

もう一度、センサー感度を「Hi 2」に上げて一発。

パスン。
表示されない…。

だ、大丈夫だ。まだ1枚余裕がある…。
そう自分に言い聞かせながらもう1枚載せます。



パスン。「…!?」


ついに表示されました!!


念の為もう一発。やはり計測できてます。
僕のS510ではネオジム磁石2枚重ね(約4.8㎜)で、イイ感じにセンサー部と弾道のギャップが埋まるようです。センサー感度は「Hi 2」です。「Hi 1」ではたまにエラーがでてしまいました。


空気を200BARまで再充填して、ウキウキでデータを取りました。
使えないと思ったものが、100均のネオジム磁石で使えたわけですからウキウキですよ。

取れたデータはこちらです。

青く囲ってある範囲がこのグルーピングでした。距離は50m、依託射撃。

 


正規の使い方とは違うので本当に弾速が合っているか気になり、ネットで拾ったデータと比べてみましたが、ほぼ同じ弾速です。多少違ったとしても、正確な弾速が知りたいわけではなくて、弾速のバラつきを調べたいわけですから、目的は達成です。

上位機種のV3は4段階でセンサー感度を調整できるそうなので、そのままでも計測できるという話もちらほらあります。それに、Sporterのモニターは操作ボタンが1つなので非常にややこしい。お金に余裕のある方は素直にV3を購入されたほうが良いかもしれません。

 

結論:Magnetospeed Sporterはエアライフルでも工夫すれば使える

センサー部にネオジム磁石を重ねて、高さの調整をしてやれば使えることがわかりました。ただ、調整ミスや取り付け方次第では、発射されたペレットが重ねた磁石に当たる可能性もありますので充分注意して下さい。

僕のS510では計測できることが出来ましたが、その他のエアライフルはわかりません。自己責任でお願いします。

でも買う前から薄々気付いていましたが、やっぱり出番は少ないです…。